『閃光ライオット』と『未確認フェスティバル』、“10代限定フェス”の歩みからその違いを検証

 『閃光ライオット』と『未確認フェスティバル』は、同じような趣旨にも見えるが、実際はそれぞれ果たす役割が違うように思う。まず、『閃光ライオット』は「強烈な一瞬の光(閃光)が、暴動(riot=ライオット)する日」であり、思わず切り取って残したくなるような10代の輝きに注目している。もちろん楽曲のメロディや歌詞、演奏力も大事であるが、アーティストの音楽に対する「思い」が重視されるフェスではないだろうか。『閃光ライオット』は、その思いを強く持つアーティストを世に送り出すことで、リスナーに愛され信頼される音楽フェスであり続けたのだ。

 そして『未確認フェスティバル』は、第2次審査までは音源が最も重視されるフェスであり、先ほども述べたが、新たな才能を発掘する目的が強められている。『未確認フェスティバル』は、アーティストたちにとってはリスナーに広く認知される機会、リスナーにとっては新たな音楽と出会える機会が増えるため、双方にとって多くの“可能性”が導かれているフェスである。このように、2つのフェスは果たす役割が異なるが、音楽の道を志す10代にとってどちらも「憧れ」のステージであることは間違いない。

 現在、既に『未確認フェスティバル2017』の第2次審査のウェブ審査が始まっており、第1次審査を通過した103組が公式HPに掲載されている。この103組の中に、これからの音楽シーンを作るアーティストは必ず存在するだろう。なお、投票は6月11日まで受け付けている。これを機に、10代が鳴らす新たな音楽と多くの人が多くの人が出会えることを願っている。

(文=北純子)

 

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