鬼龍院翔が歌う、“ど真ん中”の90年代ヒット曲 J-POP愛溢れるカバーアルバムの意義

 90年代の音楽シーンについての言説はここ1年くらいで非常に増えた印象があるが、あらゆる場所で大きな動きが起こっていたせいか切り取る人の目線によって偏ったものになっているケースが多い。もちろんその多くに「偏っているからこその面白さ」があるのだが、それゆえ「ど真ん中の90年代」について語られることが実は少ないというような状況も一方ではあった。『オニカバー90’s』はそんな「90年代ブームにおけるエアポケット」を埋めてくれる作品のひとつである。たとえば小沢健二『LIFE』やフィッシュマンズ『空中キャンプ』といった作品と一緒に『オニカバー90’s』も聴くと、90年代のよりリアルな空気を体感できるのではないだろうか。

■レジー
1981年生まれ。一般企業に勤める傍ら、2012年7月に音楽ブログ「レジーのブログ」を開設。アーティスト/作品単体の批評にとどまらない「日本におけるポップミュージックの受容構造」を俯瞰した考察が音楽ファンのみならず音楽ライター・ミュージシャンの間で話題に。2013年春にQUICK JAPANへパスピエ『フィーバー』のディスクレビューを寄稿、以降は外部媒体での発信も行っている。
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