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My Hair is Bad『ハイパーホームランツアー』日比谷野外大音楽堂

My Hair is Bad、空まで響いた音楽と言葉たちーー初の野音ライブを振り返る

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 My Hair is Badが、5月4日に日比谷野外音楽堂でワンマンライブを行なった。少し日が経ってしまったが、いまだに余韻が残るこの日のライブについて今一度振り返りたい。それは、その場にいた全員が彼らの音楽と椎木知仁(Gt&Vo)の言葉を何ひとつ聞き逃さないようにと聞き入るような、素晴らしいライブだった。

 My Hair is Badは、2008年から活動している新潟県上越市出身のスリーピースバンド。昨年12月からアルバム『woman’s』を提げた『ハイパーホームランツアー』をスタートさせている。赤裸々な言葉を切々と歌いあげる「真赤」「告白」などをはじめとした楽曲と、正面から思いをぶつけるストレートなライブスタイルが多くのリスナーの心を掴み、口コミで人気を拡大していった。彼らにとって初の日比谷野音でのライブは、過去最大キャパの単独公演でもあり、本人たちも少し緊張しているようだった。ゴールデンウィーク真っ只中のライブ当日は、快晴。会場に入ると、座席も立ち見席も満員。少し日が暮れてきたであろう時、ライブは始まった。

 まだツアー中であるため曲名を出すのは控えるが、1曲目からマイヘアは観客の心を掴み、そのまま最後まで離すことはなかった。特にライブ中盤、椎木の「座ってください」の言葉から、座席に座ってじっくりと聴いた3曲。そして、その3曲の最後に演奏された「卒業」。日が落ちて少し肌寒くなった野音は、「卒業」という曲が持つ、思わず感情移入してしまうほどのエモーショナルさをさらに引き立てた。

椎木知仁

 My Hair is Badのライブは、ありのままの思いを全て語り、叫ぶ椎木のMCが魅力のひとつであるが、当日のMCは椎木曰く「大荒れ」だった。自分たちがロックバンドであるということを何度も話し、「あんたらの好きなロックバンドはあんたらを絶対裏切らない」と叫んだ椎木。そして何度も感謝の気持ちを話した椎木が、最後に「ありがとうがいっぱいすぎて恥ずかしいけど、ありがとう」と照れながら言うと、その素直な言葉に思わず顔がほころぶ観客の姿を多く目にした。

山本大樹

 いつもは命を削るようにパワーを注いでライブをする椎木だが、この日のライブは椎木からパワーが溢れ出しているように感じた。それはライブハウスと野音の違いもあるかもしれないが、今までよりも「伝えたい」という思いが椎木にとって大きくなった結果のようにも思う。過去最大規模での単独ライブ、多くの人たちがMy Hair is Badを観に来たという事実が、椎木を奮い立たせたのだろう。そしてその思いは椎木だけでなく、山本大樹(Ba&Cho)と山田淳(Dr)からも溢れていた。2人の激しさの中に正確さと安定感を備えた演奏は、My Hair is Badの音楽に深みと、スリーピースとは思えない程の音の厚みや熱量をもたらしていた。

山田淳

 My Hair is Badの音楽はリスナーの心の内側に入りこみ、それぞれが抱える不安や悩みを溶かす。そして、言葉にできない複雑な気持ちを代弁してくれる。彼らが放つ音楽と言葉は、とても大きな力を持っているのだ。野音という日常から解放された会場で、空まで響いた椎木の言葉たちは、心が痛くなるほどまっすぐと観客に届いた。今回、野音でのワンマンライブを大成功に収めたMy Hair is Badは、間違いなくこれからさらに多くの人に歌を届ける存在となるだろう。

(文=北純子)

My Hair is Badオフィシャルサイト

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