Flowerが『MOON JELLYFISH』で迎えた転機「殻を破って新しいFlower像を出していかなきゃ」

Flower×レーベルスタッフ特別対談(後編)

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「メンバーの個性や表現者としての心構えの礎になる作品に」(平井拓)

ーーなるほど。鷲尾さんはこの曲を歌う上で、どんな部分を重要視しましたか?

鷲尾:今回の曲は、表面的な明るさと奥に潜む暗さというか、聴く人によって一人ひとりの解釈が幅広いものになっていると思います。キラキラしたメロディに、Flowerらしい少し寂しさの出る歌詞が入っているので、そこをどう表現するかを考えました。さっき拓さんが言ってくださった歌合わせよりも前に、ひとりでいつも聴き込んで自分の中へ歌を落とし込むのですが、この曲はサビ部分の音数がすごく多いけど、音と歌詞がマッチしているので歌いやすいですよ。一番マッチしていると思った部分は、Dメロの<流されないからしっかり抱きしめていて>というところです。今まで通り普通に歌っていると流れて聴こえるというか、引っ掛かりがないような気がしたので、歌い方には気をつけました。私は歌において「飽きさせてはいけない」というのをテーマにしていて、今までと違うメロディがくるDメロは特にインパクトのあるパートなので、Dメロにこだわることが多いです。

佐藤:伶菜さんが挙げた<流されないから〜>という部分は、私も自分の中で一番盛り上がるポイントです。振り付けも流されないように相手を引き止め合うとか、そういうのを表現できたらと思って、伶菜さんに話したりもしました。

ーーお互いのパフォーマンスが良い方向に影響しあっているということですね。先ほど平場とミュージックビデオの振り付けをあまり変えないようにしたという話もありましたが、その意識も『Flower Theater 2016 〜THIS IS Flower〜』を経てのものという気がします。

藤井:前編でお話ししたように、見ている人によって捉え方は違うんだとツアーを通してますます感じるようになって、分かりやすいものよりももっとFlowerらしいものを追求した結果、どんな状況でも自分たちらしく見えるものを提示できるように向かっているんだと思います。だからこそ、それぞれの考え方が混ざって代わりの効かない表現になっているというか。

重留:あと、『Flower Theater 2016 〜THIS IS Flower〜』を経てという意味では、「MOON JELLYFISH」でみんなの創作スピードが上がっていることに驚きました。今までは5時間確保しても、途中でどこか集中力が切れてしまっていたのが、気がついたら何時間も経っていて、やるべきこともしっかり達成できていたり、その他の時間で「ここをこうした方がいいんじゃない?」という意見交換をして、試してみることもできるようになりました。そういう意味ではこの曲が後から振り返った時に、ターニングポイントになっている気がします。

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重留真波

ーー方向性をしっかりと定めなおしたことで、グループとしてもう1段上のステージへ進んだということなんでしょうね。平井さんに伺いたいのですが、この楽曲をこのタイミングで出すというのは、Flowerにとってどういう意味合いが生まれると思いますか?

平井:さっき重留さんが「振り返ったときにターニングポイントになるかも」と言っていたのですが、この段階では特別なことというより、積み重ねの一つなんだと思います。振り返ったときに、だんだんとクレッシェンドしていくメンバーの個性や表現者としての心構えの礎になる作品かもしれません。スタッフとして、アーティストが急に前作より5段階伸びるというのはあまり見たことがないですし、着実に積み重ねて進化していく人のほうが、しっかりと道を作っていけると思うので。

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平井拓氏

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