PrizmaXがデビュー4周年記念ライブで示した音楽的ルーツとこれから

PrizmaXが示したこれからのストーリー

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清水大樹

 ライブ終盤に展開されたアルバムのリード曲「Mysterious Eyes〈New Version〉」は、先日よりMVも公開されているが、華やかなシンセサウンドで構成されたデビュー曲を浮遊感のある現行のサウンドにリアレンジ。サウンドの変遷にともない部分的に変更された振付には、現在の彼らなりのセクシーさがにじみ出ていて新鮮な感慨がある。続く「It's Love」はニュージャックスウィングなど、やはり80'sテイストが色濃い新曲。今回のライブではいわゆるダンスナンバーはなかったが、この曲で翼、有希、大樹とパフォーマー勢のソロも入りホリックたちを大いに沸かせた。

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福本有希
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島田翼

 後半の観客のシンガロングが響き渡った「FANTASISTA」のあとのMCで、「いい足りないことはある?」(大樹)と振られたウィンが「歌い足りない!」と、ソロナンバー「うさぎ」(未音源化)をアカペラで歌いだしたり、そのとばっちりでアカペラで歌わなければならなくなった有希が微妙にスベったあと(笑)、「まだまだ踊りたい人~?」という振りで、ラストの「Three Things」へ。ウエディングソング的な愛の言葉が散りばめられ、PrizmaXのテーマ曲といっても過言ではない同曲は、何よりもあふれ出すような多幸感が最大の魅力だ。翼がファンから借りたペンライトを手にして踊るなど、さながらパーティを楽しむようなパフォーマンスのあと、ウィンが「ホリックがいてくれる限り、PrizmaXはずっと頑張っていけます。これからも末永く、よろしくお願いします」とマイクを通さずに生声でメッセージを贈った。

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 温かな余韻に包まれながらのアンコールでは、いつも応援してくれるホリックをイメージしたという「Angel」を再びパフォーマンス。PrizmaX唯一のオリジナルメンバーであり、結成から実に10年以上をこのグループですごしてきたリーダーのティムが「1stアルバムがやっと、やっと、出ると決まったとき、いろんな思い出が頭の中をめぐって……」と一言一言、かみ締めるように話していたのが印象的だった。

 エンドロールとしてスクリーンに映し出されたのは、新旧MVをコラージュした映像や、当日会場に詰め掛けたホリックたちからのメッセージ動画。ラストの「PrizmaX are TIM/WIN/DAIKI/YUUKI/TSUBASA and HOLIC」というクレジットも、ニクい演出だったと思う。アルバムのリリース後、夏にはツアー『PrizmaX Live Tour Level 5「DIVE」』が行われるが、この日披露された楽曲群のパフォーマンスがそれまでにどう進化しているのか、楽しみなところだ。

(写真=M.キセキ)

■古知屋ジュン
沖縄県出身。歌って踊るアーティストをリスペクトするライター/編集者。『ヘドバン』編集参加のほか、『月刊ローチケHMV』『エキサイトBit』などで音楽/舞台/アートなど幅広い分野について執筆中。

PrizmaXオフィシャルサイト

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