台湾出身バンド noovyが目指す、J-POPとC-POPの融合ーー台湾のバンド事情も語る

noovyが目指す“J-POPとC-POPの融合”

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「台湾では、メジャーな音楽シーンにはバンドがほとんどいない」(JK)

――日本の音楽と台湾の音楽に、何か違いを感じるところはありますか?

JK:日本はバンドが多いと思います。台湾では、メジャーな音楽シーンにはバンドがほとんどいない。あと、日本の曲はバリエーションが豊富で、テンションが高い曲が多いイメージです。中華圏はバラードが本当に多くて、8割はドロドロの恋愛ソングなんですよ。日本の方が色んな種類の音楽が受け入れられていると思いますね。

Shawn:中華圏は、どんなアーティストも最終的にはバラードが増えていくんですよ。

――だとするなら、みなさんがnoovyでJ-POP的な要素も加えた音楽を演奏していくことで、台湾の音楽シーンにも新しい選択肢が増えるかもしれませんね。

Shawn:そうですね。それこそ僕らの強みじゃないかと思っているんです。

――2017年の1月からは日本に長期滞在しています。これはどんな経験になっていますか?

JK:長期滞在は初めてですけど、日本はもう4回目なので、僕はだいぶ慣れてきましたね。

Mark:台湾では4人バラバラに住んでいるので、日本で初めてメンバーと一緒に暮らして、音楽に向き合う環境も変わったし、こっちの方が成長できるんじゃないかと感じています。音楽をやっていくことに、可能性を感じる。まぁ、お金はないですけどね(笑)。

――(笑)。グループにとして、厳しいけれどもいい環境にいる、と。

Shawn:台湾にいるときは、学業もあるのでバンド練習もなかなか集まる時間が限られていたんですよ。でも、今は朝から晩までメンバーと一緒にいて、共同作業をする時間も沢山とれていて。音楽について、より色々なことを共有したり、考えるようになっているよね。

Hank:そうだね。正直、バンドとして今が一番成長しているんじゃないかと思う。

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――日本ではワンマンライブを目指して1000枚限定生産のシングルCD『KALEIDOSCOPE』を売り切ることを目標にライブを続けています。(2017年3月13日に1000枚完売達成)現時点でのライブの中で印象に残っていることは?

Hank:台湾はライブハウスが少ないし、あったとしても日本の方が出ているバンドのレベルが高いです。まずはそうやって他のバンドのライブを観ることが、すごく勉強になります。

Shawn:台湾ではライブをしていたときはワンマンが多くて、対バン自体ほとんどしたことがなかったんですよ。だから、今ちょうど他のバンドを観て、自分たちはどこが劣っているのか、どうしていくべきなのかをメモして、次のライブまでに色々と考えているんです。

JK:あと、日本のファンの人たちは、「共にいれくれる」「そばにいてくれる」という感じがします。ライブに毎回来てくれる人もいるし、「みんなで一緒に頑張ろう」と言ってくれるので、励みになりますね。台湾から4人で来ているのに、4人だけじゃない感じがする。

――なるほど。中でも、最も印象に残っているライブを教えてください。

全員:(口々に)シブヤの Milkyway!!

Hank:(日本語で)Milkywayサイコー!!

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――2月22日に行なわれた渋谷Milkyway公演は、バンド史上一番失敗したライブだそうじゃないですか……(笑)。

Mark:(笑)。対バンするバンドも自分たちと近い音楽性で一番大事な日だったのに、途中で同期(生演奏と共に使用する打ち込みサウンド・同期音源)が止まったんですよ(苦笑)。最後にオリジナル曲を3曲やっているときは、ほぼ同期なしで演奏することになり、メンタル的にもボロボロのパフォーマンスになってしまいました。終わったあと、「この楽屋から一生出たくない」と思いました……。

JK:僕も演奏を間違えましたね。そういうことが沢山あった日で。でも、この経験ができてよかったと思うんです。落ち込む気持ちをどうコントロールするか学ぶ機会になったので。

Shawn:逆に最高の演奏ができたのは、2月9日の渋谷LUSHですね。「ライブってこんなに楽しいんだ」と思えたし、これまでで一番汗を流したライブでした。

JK:4人とも気持ちが入って、一番楽しめたライブだったんです。このライブを通して「自分たちが楽しんでこそ、それがお客さんに伝わる」ということに気付いたというか。

――なるほど。色んな意味で自分たちの成長を実感しはじめているんですね。これからどんなバンドになっていきたいですか?

Shawn:昔は演奏しながら歌うので精一杯でしたけど、今は曲の世界観をどう表現するかということも考えられるようになってきました。それを「お客さんとどう楽しむか」というアイデアもどんどん出てくるようになっているんですよ。だから、「ここは盛り上げよう」「ここはお客さんと一緒に楽しもう」って、色んなアイデアを出していきたいです。

Hank:そうやって、「みんなに参加してもらえる」ライブができるバンドになりたいですね。Mark以外は演技の勉強もしているので、音楽以外の要素も加えて、ライブをより楽しくしたい。ライブ中にやっている芝居パートも、そういう気持ちで生まれたアイデアです。

Shawn:僕はバンドのYouTubeの映像を編集したりもしているので、それも生かしていきたい。バンドという形だけにはとらわれずに、色々な要素を詰め込んで、エンターテインメント性の高いバンドになっていきたいですね。(急に冗談めかした口調になって)僕は車の修理もできるし、料理教室をやってもいいかなぁ。それから……(延々とボケ続ける)。

(取材・文=杉山仁)

■リリース情報
シングル『KALEIDOSCOPE』再プレス盤
発売:2017年3月17日(金)
※HMV限定販売
※購入者特典・スペシャルポストカードあり
価格:500円(税込)

ローチケHMV 販売サイト
HMV店舗 WEB予約

■ライブ情報
●ワンマンライブ
4月23日(日)16:30開場 17:00開演
場所:渋谷TSUTAYAO-nest
チケット:3,000円(ファンミーティング参加券、会員証付き)
※3,000円の中にはファンミーティング時の軽食代と1D代が含まれます。
チケット販売ページ
noovyオフィシャルHP

●その他ライブ情報
HMV&BOOKS TOKYO 3月30日(木) 15:00~
HMVエソラ池袋 3月30(木) 19:00~
HMV店舗情報

3月21日(火) 巣鴨獅子王
3月22日(水)高円寺ShowBoat
3月25日(土)下北沢MOSAIC
3月26日(日) TSUTAYA O-nest
3月27日(月)下北沢MONAレコード
3月28日(火)渋谷LUSH

noovyオフィシャルサイト

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