YUKI、大森靖子、吉澤嘉代子......“誰もマネできない”音楽を生み出す女性アーティストたち

 “現役看護師&シンガーソングライター”としてデビュー以来、確実に注目を集めてきた瀬川あやかの1stアルバム『SegaWanderful』。単なる話題性だけではなく、“関わる人を元気にしたり助けてあげられるということでは、歌も看護も同じ”というスタンスこそが彼女の魅力であり、その真っ直ぐでポジティブな姿勢は『SegaWanderful』(瀬川+Wonderful)とタイトルされた本作にも強く表れている。恋愛ベタの女の子を応援する「いつでも恋はカメレオン」、離れ離れになってしまった“あなた”にもう一度会いたいという思いを描いた「恋の知らせ」といったラブソングもいいが、個人的に印象に残ったのは“歌”に対する彼女自身の考えがリアルに綴られた「未熟なうた」。特に<私らしいやり方考えて 誰かの力になりたい>という一節には、シンガーソングライターとしての彼女のスタイルが集約されていると思う。

瀬川あやか「妄想スニーカー」Short ver.

 レコード大賞ノミネート、月9ドラマの主演を張るなど、女優と歌手を高いレベルで両立している西内まりやの7thシングル『Motion』(フジテレビ系月9ドラマ『突然ですが、明日結婚します』主題歌)は、ラテン風のバウンシーなトラックと起伏に富んだメロディが絡み合うアッパーチューン。作詞はいしわたり淳治。<『愛してる』って言葉は 1000の意味があって/何を伝えているか 分かるでしょ?>というサビのフレーズは、良い意味で“上から”なキャラクターが似合う彼女の存在感ともしっかりと結びついている。セクシーなフロウを生み出すメロディと歌詞のバランスも、ちょっとハスキーな声質にぴったり。“モデル→女優→アーティスト”というキャリアを辿ってきた彼女は、やはり自分の見せ方がよくわかっている。

西内まりや / 7thシングル「Motion」 MUSIC VIDEO

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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