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『No Big Deal Night〜No Big Deal Records 5th Anniversary Party〜』レポート

へそ曲がりだがキャッチーな<No Big Deal Records>の音楽 全9組集合の一夜を観た

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ALL OFF
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 04 Limited Sazabysやミソッカス、ALL OFF、Goodbye holiday等が所属する<No Big Deal Records>が設立から5周年を迎えたイベント『No Big Deal Night〜No Big Deal Records 5th Anniversary Party〜』が2月25日、新宿LOFTで開催された。オープニングの挨拶に立ったレーベル・プロデューサー土門義隆氏は、この5年で5組がメジャー・デビューを果たし、また04 Limited Sazabysのように武道館公演を行なうアーティストも誕生したことを語った。現在、所属アーティストは9組。それがいっぺんに揃ったイベントは、今回が初めてということで、会場はスタートから多くの人の熱気で満ちた。

20170309-nbd3.jpgINNOSENT in FORMAL

 イベントはLOFT BARとの2ステージ制で、オープニングアクトのINNOSENT in FORMALがBARステージを盛り上げると、メインのステージにはシンガー・ソングライター、ビッケブランカが登場。バンドメンバー4人もビッケブランカもボーダーのTシャツ姿で、そのコスチューム感もまた彼のカラフルなポップ世界をきわだてる。ピアノの前に座り多幸感たっぷりのファルセットを響かせたり、ハンドマイクでコール&レスポンスを煽ったりとフロアのハッピー濃度を高めていった。「Slave of Love」から「ファビュラス」への流れは最高で、Queenをはじめとした洋楽・邦楽の眩いポップ・エッセンスをふんだんに詰め込み、甘く晴れやかなボーカルでラッピングをしたサウンドをもって、聴くものの心を弾ませる。何かがはじまりそうな予感やときめきを感じさせる音楽は、イベントのはじまりにもぴったりだった。続いて、BARステージには男女混合の4ピース、ねこね、こねこね。が登場。童謡のように親しみやすく、ほんのりと切なさも帯びている白昼夢的なギターポップを奏でた。

20170309-nbd4.jpgビッケブランカ

 「広島から出てきて、右も左も分からない僕らに手を差し伸べてくれたのがNo Big Deal Recordsだった」(児玉一真/Vo&Gt)とMCしたのは、Goodbye holiday。グッドメロディの正統派ギターロックバンドとして2015年にメジャーデビューを果たし、ドラマ主題歌なども手がける4人だ。爽やかな曲のイメージが強いけれど、ライブはアグレッシブで、「みんなを盛り上げるには、僕らが元気じゃないと! イエーイ‼」と福山匠(Ba)が3人に喝入れし、馬力をあげてフロアも沸騰させる。「僕らとNo Big Dealをつないだ曲」(児玉)として「等価な世界」も演奏する、この日ならではのセットリストとなった。

20170309-nbd5.jpgGoodbye holiday

 だいじろー(JYOCHO/ex.宇宙コンビニ)がテクニカルなギタープレイでBARステージに拍手喝采を起こすと、メインステージにはALL OFFが登場し爆音を響かせる。昨年末メジャーでの1stフル・アルバム『Re:sound』をリリースした5人は、今回の出演アーティストのなかでは古株だ。かつ、レーベルのなかでもいちばんラウドなサウンドを奏でる。USエモ、スクリーモ等をルーツにした力強いサウンドとキャッチーな歌と、ライブで洗練してきた鋭さや高い熱量を武器にロックシーンでしのぎを削ってきたバンドだ。古株とはいったが、同時期に所属したレーベルメイトで、第一弾のアーティストだったTHE UNIQUE STARは現在活動休止中である。この日のセットリストの最後に、THE UNIQUE STARのエバタヒロカズと制作した「リフレインボーイ」を持ってきた、ALL OFFの熱い思いと、ここからまたみんなでレーベルを盛り上げていこうという気概が、その音をますますヘヴィにしていた。

20170309-nbd6.jpgALL OFF

 ここまで登場したアーティストも、ひとつのジャンルやイメージではくくれないほどバラエティに富んでいるが、後半戦はさらにカオスぶりが加速する。怒涛の展開への口火を切ったのは、BARステージに登場した4ピースガレージバンド・THE PINBALLS。ヒリヒリとした咆哮とソリッドな音で一気に観客の興奮をピークに持っていくなど、曲ごとにその熱さを更新していく暴れぶりだ。そんなハイテンションなバトンを引き継いだミソッカスは、デストロイはるきち(Vo)の「お前ら全員、ミソまみれになっちまえよ」という言葉とともに、「パパパ」そして「B-B-B-Bourbon」と暴走していく。パンク、フォーク、クラシックに民族音楽、歌謡曲、そこにイケてない青春をぶち込んでシャッフルした、奇天烈でムンムンに熱いロック世界が、フロアをかき混ぜる。「No Big Dealって“大したことない”っていう意味で、ほぼミソッカスの意味とイコールなんだけど。04 Limited Sazabysのように武道館をやるバンドを増やしてーー僕レーベルオーナーじゃないですけど、いつかNo Big Dealの“No”を取りたいと思います」(デストロイはるきち)という冗談交じりの宣言(?)にも説得力を感じるのは、メキメキと勢い付いている今のミソッカスだからこそ。物事を反転させるパワーを存分に感じさせるライブだった。

20170309-nbd7.jpgミソッカス

 BARステージのトリをつとめたのは、Wienners。メンバー脱退/加入を経て新体制となった2015年に、No Big Dealから第1弾シングル『みずいろときいろ』をリリースした。この記念すべき「みずいろときいろ」ももちろん、音の洪水たるカラフルなハードコア・サウンドで観客を熱狂させて、郷愁感や切なさの琴線を揺らす歌でエモーショナルにコブシを上げさせる。引き締まったアンサンブルや旨味を詰め込んだ洗練されたポップな曲には、貫禄すらにじむ。先ほど、所属アーティストをくくるようなイメージがないと書いたが、あえていうならば、それぞれがへそ曲がりで、でもキャッチーに、独自の音楽や声を生み出しているバンドばかりだ。意外なファミリーだが、だからこそ面白い。

20170309-nbd8.jpgWienners

 そしてこの初のレーベルイベント『No Big Deal Night』を締めくくるのが、つい2週間ほど前に初の武道館公演を成功させた、04 Limited Sazabys。「レーベル全員が集まるイベントをやるとなったとき、絶対にトリはイヤだって言ったんですよ。だって、せっかくだし飲みながら観たいじゃん。でも蓋あけてみたら最後でーー土門さん、どうなってるの⁉(笑)」とGEN(Vo/Ba)は申し立てていたが、「Terminal」からスタートしたライブは、いいバンド感と心地よい緊張感がみなぎり、なお馬力を上げていくハングリーさと眼光の鋭さがある。武道館というひとつの目標地点を越え、まだ手綱を緩めることのない姿勢が見てとれるステージだ。「Warp」や「Night on」といった最新アルバム『eureka』の曲や、メジャー・デビュー以降の曲を披露し、終盤はNo Big Dealでリリースし、今尚ライブ定番曲として輝きを放つ「hello」や「monolith」と畳み掛けると、フロアの歓声が一層大きくなった。ツアーやイベントでも会場のスケールを増しているフォーリミだけに、この新宿LOFTという場所の距離感の近さ、観客との熱量のぶつけ合いにも、改めて良さを感じた。また、レーベルのイベントとしても、畏まらず、終始ステージとフロアがフレンドリーな関係性で、出演者それぞれの愛すべきキャラクターや音楽を手渡しする感覚は、<No Big Deal Records>らしいところと言えるかもしれない。

20170309-nbd9.jpg04 Limited Sazabys

(取材・文=吉羽さおり/写真=Viola Kam (V’z Twinkle ) )

■セットリスト
・INNOSENT in FORMAL
1.One for you
2.Foot Loose
3.新曲
4.SEX,DRUG&ROCK’n’ROLL
5.怪獣のダンスフロア

​・ビッケブランカ
1.ココラムウ
2.Take me Take out
3.アシカダンス
4.Slave of Love
5.ファビュラス

・ねこね、こねこね。
1.ねこは何でも知っている
2.かいじゅうたちのいるところ
3.けっこう毛だらけ猫灰だらけ
4.ことばの海
5.四半世紀カルテット

・Goodbye holiday
1.十ヶ条
2.溢れるもの
3.deco
4.パラダイムシフター
5.サイエンスティック・ラブ
6.等価な世界

・だいじろー(from JYOCHO)
1.自分のかかとにかかと落としする人の生き様
2.おれはハンバーグより強くならなければならない
3.HARVEST
4.千年間ケツバット

・ALL OFF
1.One More Chance!!
2.Never Gave Up
3.Sweet Sweet Crazy
4.Just Tonight
5.My Life
6.リフレインボーイ

・​THE PINBALLS
1.劇場支配人のテーマ
​2.ヤードセールの元老
3.イーブルスター
4.十匹の熊
5.真夏のシューメイカー
6.ニューイングランドの王たち
7.毒蛇のロックンロール
8.アンテナ
9.片目のウィリー​

・ミソッカス
1.パパパ
2.B-B-B-Bourbon
3.i wanna be a ハンサム
​4.ダンシングモンスター
5.マッドシュリンプス
6.HITSUJI SAVE ME
7.ホリデイ

​・Wienners
​1.Cult pop suicide
2.ジュリアナディスコゾンビーズ
3.VIDEO GIRL
4.Go Anti Go
5.TRY MY LUCK
6.みずいろときいろ
7.LOVE ME TENDER
8.蒼天ディライト
9.レスキューレンジャー​

​・04 Limited Sazabys
1.Terminal
2.fiction
3.Warp
4.Night on
5.medley
6.me?
7.hello
​​​8.monolith

■関連リンク
No Big Deal Records

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