ベッド・インが見出した、バブルと現代のバランス感「生き様で熱量や自由な精神を伝えていく」

ベッド・イン、バブルと現代のバランス感

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「想いがシンプルに伝わる歌詞を心がけた」(中尊寺まい)

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中尊寺まい

ーーカップリングの「劇場の恋」はどなたが書かれたのでしょうか?

かおり:作詞が私で、作曲は「C調び〜なす!」も手掛けてくださった黒崎ジョンさんです。昭和歌謡にも精通していらっしゃる方で、相性とフィット感がグンバツでなんです♡

ーーダンス・ミュージックで行くかと思わせて、泣きのエレキ・ギターが響くのは、歌謡性とロックの融合という感じで、ベッド・インの真骨頂だと思いました。

かおり・ちゃんまい:チン骨頂♡

かおり:この曲は、今までウチらが掲げてきた「ボディコン・ロック」がストレートに表現されている曲になってると思います。ギターリフやビートが効いていて、メロディーは歌謡っぽくて。でもちゃんとアイドルソングっていう、絶妙で面白い曲に仕上がりました!

ちゃんまい:ハロプロっぽいよね。

ーーハロプロは時代的にバブルとズレますよね。

ちゃんまい:でも、ハロプロもつんく♂さんが昭和歌謡を通過してきたからこそああなったんだと思うんですよね。ダブルユーにキララとウララを歌わせたりしてたじゃないですか。なので、私ハロプロがDAISUKI!なんですけど、「劇場の恋」もきっちりアイドル歌謡を現代に昇華していて、ボディコン・ロックの要素もあって、ライブで盛りあがることウケアイ♡だと思います。ちゃんまいの泣きのターギーにも注目してもらえるとマンモスうれPな♡

かおり:原曲はもう少し今どきのアイドルソングっぽい印象が強い曲だったんですけど、それをもっとウチららしい「ボディコンロック」に寄せてアレンジしていただいた感じですね。インパクトがある、踊れるイントロも挿入していただいて♡

ちゃんまい:ディスコというか、パラパラな感じになったんだと思います。自然と踊りたくなるような強烈な曲ができたな、と。バンドでのアレンジも楽しみにしていてもらいたいですね♡

ーーバブル感と現代性のバランスのジャッジはどこでされているのでしょうか?

ちゃんまい:メロディーは歌いやすさ重視で、それ以外のダンサブルなビートは現代を意識しています。

かおり:現代っぽい要素を一番強く表しているのは、ビートだと思いますね。それ以外はバブル時代の曲のイキフンになるように意識していて。特にシンセの音は、当時を意識していると思います。

ちゃんまい:シンセはわかりやすくいうと荻野目洋子さんの「ダンシングヒーロー」みたいな感じですかね? 私たちも現代と融合できる塩梅がやっとわかってきたかもしれません、まだまだ試行錯誤ですけど。

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益子寺かおり

かおり:曲もなんですけど、実は歌詞もそうで。今までは、歌詞もわかりやすくバブル時代の要素を入れ込もうと、当時のわかりやすいワードを意識的にチョイスしていた部分もあって。「大磯シーサイド」、「バリライト」とか。でも、前作のアルバム『RICH』の制作を経て、“バブル”をもっと概念的にとらえられるようになっていて。たとえば『RICH』というタイトルは「単純に金銭的な豊かさじゃなくて、気持ちや精神的な部分で豊かさがあればリッチと言えるんじゃないか?」という思いを込めて名付けていて。あのアルバムを作った経験があったからこそ、バブル時代に使われていた直接的なワードをそのまま使うんじゃなくて、もっと概念に落としこんで歌詞を書けるようになったと思います。

ちゃんまい:「男はアイツだけじゃない」も、以前の自分ならもっと比喩的な表現をしていたと思うんです。VHSを自分に例えてみたり、キスマークをパープルバタフライに例えてみたり……でも、女性の精神面って実は今もバブル時代も変わらないものなんじゃないかと思って。バブル時代を思わせるキーワードは挿入しつつも、わかりやすくて耳に残る歌詞、想いがシンプルに伝わる歌詞を心がけましたね。実はスぺネット北岡に「ベッド・インのトリセツみたいな歌詞書いてよ」って言われて、最初はチンプンカンプンだったんですが(笑)さっき言ったみたいなことなのかなって。なので、自分の中の西野カナさんを奮い勃たせました!

ーーその歌詞がいいですね。彼氏の浮気に気づくのが、シャツの口紅ではなくてファンデーションだとか、ディティールもリアルだと感じました。

ちゃんまい:そう言っていただけてマンモスうれピ〜♡ 浮気しててルージュつける女なんて、リアルな世界ではプッツンすぎるじゃないですか!(笑)。女性の目線の恋愛ソングですけど、男性にとっては「女はアイツだけじゃない」し、恋愛だけじゃなくて何か大きな壁にぶつかった時に聴いて元気ビンビン物語になってもらえたらいいな、って。今を一生懸命に生きている全ての人たちに向けた応援歌なので。

ーー『RICH』を経て、シングルの制作面で変わった部分はあるでしょうか?

かおり:アルバムの曲をおギグで演奏したときの性徒諸クンの反応を見て、「もっとシンプルにしてもいいのかも?」という気づきは、ちょっとありましたね。

ちゃんまい:「RICH」は本当に内容もリッチで色んなジャンルの曲を詰め込んだ幕の内弁当的なアルバムだったので、おナマでやってみた時にそれが如実にでたのかもしれないですね。

かおり:初めてツアーをまわって、おギグ本数を重ねたからこその気付きなんですけど、もしかしてベッド・インって、欲張りすぎかな? 詰め込みすぎかな? ってふと思ったんです。演奏してるし、踊ってるし、ジュリ扇も振ってるし、視覚にいっぺんに入ってくる情報量が多いかも、っていう(笑)。みんなにもっとABCDE気持ちになってもらうには、もう少し全体的にシンプルにしたほうがいいんじゃないかなと思って、今回テーマが「シンプル」になったんですよね。

ちゃんまい:あとは、精神面はより内面的なところになりましたね。

かおり:わかりやすくバブル用語だけをたくさん使わなくても、突き刺さるものがあるんじゃないかな、って。「バブル時代の精神は、安直に表現しなくても伝わるかもしれない」って、ツアーをして思ったんです。

ちゃんまい:「私たちがやれば伝わってくれるかな」って。今まではバブル文化を伝えるための工程で、これからはもっとバブル時代を熱く生きたパイセン達の精神力だったり、そういった芯の部分をどうやって伝えていくかっていう所なのかな、と。

かおり:自分たちの生き様を通じて、バブル時代の熱量や自由な精神を伝えていけばいいんだ、って気付いたんです。だから、これからも今まで通り、欲望に正直に、我慢せずにヤリたいことはヤる! 自分たちが本当にスキスキスーでカッコイイと思うことだけをズッポシ貫き通せばいいんだって、改めて思いましたね。

ーー『RICH』のときに語られていたように、性徒諸クンにオケカラで歌われることは意識されましたか?

かおり・ちゃんまい:しました!

ちゃんまい:失恋した女の子がともだち〇んこと泣きながら踊りながらターウーしてくれりしたらマンモスうれPですね! 子育てがひと段落したゲロマブなママにもバブル時代を思い出してターウーしてもらいたいし、スナックでおじさまにもターウーしてもらいたいです! ちびっ子にもジュリセン振って欲しいし!

かおり:ウチら自身、ガラスの十代の頃から、オケカラ育ちだったことも大きいですね。音楽について、オケカラから影響を受けている部分も多いと思うんです。だから、ソコはどうしてもこだわりたくて……♡

ちゃんまい:背伸びした歌詞にドキドキしたりしながら自分も歌っていたので、ナウでヤングなガラスの十代にも響いてほしいな♡

かおり:最近はおギグにも、中学生がお父さんと一緒に来てくれたり、ファミリー連れも結構来てくれるんです♡

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