YUKI、KREVA、UVERworld、10-FEET、EXILE ÜSAに見る理想的なキャリアの重ね方

 バンド結成20周年もすごいが、主催フェス・京都大作戦10周年はもっとすごい。昨年7月にリリースしたシングル『アンテナラスト』がオリコンランキングで自身最高位の5位を記録するなど、音楽的にもセールス的にも何度目かのピークを迎えつつある10-FEETのニューシングル『ヒトリセカイ×ヒトリズム』は現在のバンドの好状況と未来への前向きなビジョンを全身全霊で示した作品である。骨太としか言いようのないバンドのグルーヴが炸裂するなかで、<絵空事や言葉未満の/思いや寂しさも理由に変えて>前に進んでいこうとする意志を放つ「ヒトリセカイ」はこのバンドの新たなアンセムとして浸透するはず。20年間、一切のごまかしや嘘を交えないで活動してきたバンドにしか体現できない圧倒的な説得力がここにはある。

10-FEET『ヒトリセカイ×ヒトリズム』全曲トレーラー

 頂点を経験したグループのメンバーが、その後のキャリアをどう築くか? そのひとつのヒントとも言えるのが、2015年にEXILEのパフォーマーを卒業したEXILE ÜSAが率いるDANCE EARTH PARTYだ。2006年からスタートした“DANCE EARTH”(世界各国のダンスを現地で体感、その経験を舞台、書籍などのメディアで表現するプロジェクト)の一環として結成されたDANCE EARTH PARTY。1stアルバム『I』は、ヒップホップ、スカ、ラテン、カントリー、インド音楽(タブラ奏者、U-zhaanも参加)から現代的なトロピカルハウスといったリズムを取り入れ、まさに世界中を旅しているような感覚が味わえる作品に仕上がっている。昨年秋には野外でのライブも開催。ダンス文化をより深く表現する貴重なグループとしての存在感を徐々に獲得しつつある。

DANCE EARTH PARTY「Do it!」

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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