>  > coba、25周年の活動に込めた思想

25th Anniversary Album『coba?』リリースインタビュー

活動25周年のcoba アコーディオンやビョークとの出会い、アニバーサリー作に込めた思想を語る

関連タグ
coba
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

20170110-coba6.jpg

 

「ボーダーを着る理由は『船乗り』だから」

ーーその後、たくさんのツアーに参加し彼女のアルバム『ホモジェニック』にも参加するcobaさんですが、彼女の側にいて学んだことって何ですか?

coba:たくさんありますが、まず「正直であること」。いいものを「いい」と言い、よくないものを「よくない」と言う正直さ。その子供のような無邪気さには「残酷さ」も含まれるのだけど、それを大人になっても持ち続けている彼女は素敵だと思う。好奇心旺盛で、興味を持ったモノや人にはとことん食いつく反面、興味のない対象には全く見向きもしない。当時の彼女は、お金に対する興味も一切なかった。 ともあれ、95年から98年までの間に出した僕の作品には、彼女からの影響がありますし、彼女も僕の作るものを物凄く意識してたようです。ほとんどの時間を一緒に過ごす仲間ですから、当然ですね。

ーーアーティスト名を、本名の「小林靖宏」から「coba」にしたのも、ビョークの影響だったとか。

coba:彼女に会う前から「coba」名義は使っていたのですが、それを徹底したのはビョークとのヨーロッパツアー時。ツアー先で色々な国のCDショップに行ってみると、時々僕のアルバムも並んでいる。シンガポールで僕のコーナーを作ってくれているショップがあって、それが「Yasuhiro Kobayashi」というアーティスト名のコーナーだったので、これは分かりにくいなと思ったんです。間違った綴りを書かれていることも沢山あったし(笑)。そういう意味でももっとシンプルにしようと考えた。「coba」なら、どこの国の人間かも分からないでしょ。それもいいなと。

ーーボーダーの服をトレードマークのように着ているのも、ご自身とアコーディオンをアイコン化して分かりやすく提示する、一種の自己プロデュースなのかなと。

coba:そんな風に言ってくださった方は初めてなのでとても嬉しいです。言われてみれば、そうなのかもしれないですね。ボーダーを着る理由は、「船乗り」です。実は、190年ほど前にアコーディオンが誕生した時、まず船乗りたちの間で大流行しました。当時のアコーディオンには船乗りたちへのプロモーションのために、よく錨のマークが付けられていました。彼らが世界中にアコーディオンを運び、そのおかげで今の僕がいる。自分もアコーディオン音楽を運ぶ者。彼らに対するリスペクトとしてボーダーを着続けています。

ーーそういう意味だったんですね。

coba:そういえば、まだ若くて生意気盛りだった頃(笑)、とあるテレビ番組に出演が決り、演奏もしないのに「アコーディオンを持って出てくれ」と言われてムッとしたことがありました。確かにその時、ボーダーと金髪でcobaというビジュアルアイコンを作ってしまえば、アコーディオンを持たなくても文句を言われないだろうとも考えました。看護婦さんが白衣を着るように。今となってはもう、アコーディオンを担いでどこにでも行きますけどね(笑)。

20170110-coba7.jpg

 

ーーでも、そういう「反骨精神」は今でもcobaさんの核にあって、それが作品を作り続けるモチベーションになっているんじゃないのかなと思います。

coba:そうですね。常に思うのは、「まだ誰も聴いたことのない音を作り出せたら、それ以上の幸せはない」ということ。それはデビューアルバムの時からずっと変わらない。逆にいうと、それしかないかもしれない。

ーー時代が進むにつれて、「誰も聴いたことのない音」は生まれにくくなっていますよね。

coba:そうですね。今、特にこれだけ情報が氾濫していると、あっという間にフォルダ分けされてしまう。「あ、これは〜系だよね」のように。ひょっとすると、そんなことに対する「反骨心」でもあるのかもしれない。ああ、話しながら段々自分でも分かってきました。素晴らしいインタビューですね。

ーーいえいえ、恐縮です……!

coba:そうか、今作『coba?』は、そういう世の中に対するアンチテーゼなのかもしれない。このタイトルのクエスチョンマークには意味がある。自分はメジャーデビューしてからの25年で、36枚アルバムを作ってきた。プロデュース作も入れると、とんでもない数の作品があるわけです。だけど、未だによく分からない。「僕って誰なんだろう?」「自分がやってきたこと、これからやろうとしていることは何?」「何処からきて、何処へいくのだろう」と。そういう、自分への問いかけと同時に、「cobaって何だかわかりますか?」という、聴き手に対するクエスチョンでもある。「テレビでおチャラけてる男が。cobaだと思っていませんか?」と。そこには世の中への「反骨精神」も含まれているのかもしれません。未だに。

ーー最後に、今後の展望などありましたらお聞かせください。

coba:2つの大きな夢があります。ひとつは、オペラを作ること。まだ構想段階ですが、かつて誰も聴いたことない、形式としてもあり得ないようなオペラを制作するのが夢です。もうひとつは、パリにキャバレーを作る。これまでも期間限定のキャバレーを手がけたことがあるのですが、それを今度パリでやりたい。フランス人にこの話をすると、みんな大賛成してくれるんですよ。今、パリは昔の個性を尊ぶ精神をを失いかけている気がするので、何か貢献できたらいいなと思っています。

(取材・文=黒田隆憲/写真=下屋敷和文)

■リリース情報
coba 25th Anniversary Album『coba?』
発売:2016年12月21日(水)
価格:3,000円+税
<収録曲>
1.Great Britain
2.Purpose ballad *テレビ愛知「工場へ行こうPARTⅡ AMAZING FACTORY」オリジナルテーマ曲
3.She loves you
4.スウェーデンの森
5.華麗なるお伽噺 〜花市場へのオマージュ〜
6.Your eyes ~君のまなざし~ *霧島酒造「白霧島」飲みながら、思う篇 CMソング
7.昭和キネマラヴ
8.Moon Gigue
9.Wicked Apple
10.Portafoglio
11.再会
12.Back to the Birth

■ツアー情報
『coba tour 2017 25周年記念』
愛知 2017年1月12日(木) ウインクあいち
新潟 2017年1月15日(日) 新潟市音楽文化会館
東京 2017年1月21日(土) 日本橋三井ホール
大阪 2017年2月8日(水) BIG CAT
広島 2017年2月10日(金) 広島クラブクアトロ
山口 2017年2月11日(土) Jazz Club BILLIE
高知 2017年2月17日(金) 高知市文化プラザかるぽーと 小ホール
香川 2017年2月18日(土) 高松オリーブホール
愛媛 2017年2月19日(日) 松山WstudioRED
宮崎 2017年3月18日(土) 宮崎WEATHER KING
鹿児島 2017年3月19日(日) 鹿児島CAPARVO Hall
熊本 2017年3月20日(月・祝)熊本B.9
大分 2017年3月24日(金) 大分DRUM Be-0
福岡 2017年3月25日(土) 電気ビルみらいホール
北海道 2017年6月23日(金) 札幌cube garden
北海道 2017年6月24日(土) 小樽GOLD STONE
長野 2017年7月1日(土) まつもと市民芸術館 小ホール
秋田 2017年8月22日(火)秋田県児童会館
岩手 2017年8月23日(水)北上さくらホール 中ホール
宮城 2017年8月25日(金)七ヶ浜国際村
山形 2017年8月26日(土)シベールアリーナ
福島 2017年8月27日(日)とうほう・みんなの文化ホール(福島県文化センター) 小ホール

coba Official HP
coba コロムビアページ

「活動25周年のcoba アコーディオンやビョークとの出会い、アニバーサリー作に込めた思想を語る」のページです。>の最新ニュースで音楽シーンをもっと楽しく!「リアルサウンド」は、音楽とホンネで向き合う人たちのための、音楽・アーティスト情報、作品レビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版