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LILI LIMITのステージには“グルーヴ”があるーーライブバンドとして進化したツアー東京公演レポ

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 今年10月にメジャー・デビュー・アルバム『a.k.a』をリリースし、全国5都市を回る初のワンマン・ツアー『Good Bye Velvet』に乗り出した5人組バンド、LILI LIMIT。そのツアー・ファイナルとなる東京・代官山UNIT公演は、ソールド・アウトとなった満員の観客の前で、彼らの過去・現在・未来がひとつの像を結んでいくような体験だった。

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牧野純平

 ライブはアルバム1曲目「A Short Film」のMVにも通じる白を基調とした衣装に身を包んだメンバーがステージに登場すると、まずはその「A Short Film」からスタート。以降も「Wink, Blink」「Kitchen」などの『a.k.a』の楽曲を立て続けに披露していく。「Kitchen」では牧野純平がスタジオ音源のメロディを逸脱して感情豊かにボーカルを表現するなどバンドは序盤から熱量全開で、その楽曲すべてにイントロから観客が反応して踊り出す。中でもこの日印象的だったのは、メンバーの演奏がより逞しさを増していたことだ。どっしりと構えた丸谷誠治のドラム、グルーヴィな黒瀬莉世のベース、カッティングからソロまで自在な土器大洋のギター、フロントマンとしてのオーラが生まれた牧野のボーカル、それらを包むように魅力的な音を加える志水美日のシンセは、ワンマン・ツアーでの成長も反映してかタイトに引き締まり、インディーズ時代の「h.e.w.」やダンサブルな四つ打ちとシンセが躍動する「N_tower」といった過去曲にも、緩急や音のメリハリをつけた演奏力によって新たな魅力が追加されていた。中盤はふたたび『a.k.a』の楽曲群を連発し、バグルスの「ラジオスターの悲劇」と徳永英明の「壊れかけのレディオ」にオマージュを捧げた「Neighborhood」では、牧野が観客を促して会場全体でサビのフレーズを合唱していく。

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土器大洋

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黒瀬莉世

 LILI LIMITの楽曲には、緻密に構成された5人のパートが歯車のように連動し、絡み合い、パズルのピースがはまっていくような不思議な高揚感がある。けれども一方で、その音楽から最も伝わってくるのは、温かさや優しさ、寂しさ、怒りなど楽曲ごとに異なる表情を見せる豊かな感情のきらめきだ。これまで筆者は、彼らはスタジオ音源にこそ本当の魅力が表われているバンドだと思っていたが、それぞれの演奏/歌がハーモニーのように絡み合い、感情の起伏をしなやかなグルーヴに変換していく現在の彼らは、ライブ・バンドとしても逞しい魅力を放っていた。「Space R」では、もともと土器がメンバーの声などを素材に制作した原曲を、ステージ上でメンバーが生の声を重ねて再現。そのまま「Space L」に突入すると、続く「A Few Incisive Morning」では、演奏前のMCで牧野が過去を振り返る。

「僕は山口県で10代半ばからずっと本気で音楽をやってきて、そのために学校を通信制の学校に変えたりもして。道を踏み外しそうになった時に、助けてくれた人が沢山いました。東京に来てからの2年間は、そんな人たちのことを思い出すことも多くて(中略)。そうやって田舎からやってきた僕らを、東京で沢山の人が観に来てくれるという事実は、僕らにとって本当に嬉しいことです(中略)。遠く離れた場所に、思いを寄せた曲をやります」。

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志水美日

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丸谷誠治

     
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