ニコラス・エドワーズには天性の華がある 歌とダンスで魅せたクリスマスライブをレポート

ニコラス・エドワーズにある天性の“華”

 どこよりも早いクリスマス・プレゼントをあなたに。12月3日、EX THEATER ROPPONGIにて、ニコラス・エドワーズ『MOTION 2016 CHRISTMAS CONCERT~Silent Night with Nikolas Edwards』が行われた。これが4回目、恒例のクリスマス・コンサートだ。

 赤いサンタ帽に、ツリー型ペンライト。クリスマス・ムードで盛り上がるファンが待つステージに、ニックが姿を現す。アルバム『GO EAST』(通常盤)のジャケットを思わせる、黒のスリーブレス・シャツ、パンツ、コートの代わりに和服を着崩した、艶やかな出で立ち。ウェルカム・ソングは「Let’s Be Together」だ。ゆったりとしたグルーヴ、明るく伸びやかなメロディを、体全体を共鳴させて歌うニック。最高のコンディション、最高の夜になりそうな予感。

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 ここから、クリスマス・ソングを連続で3曲。2015年リリースのアルバム『Christmas Wishes』から、オリジナル曲「クリスマスの願い」を、ミラーボールの下でしっとりと。フィル・スペクターのクリスマス・アルバムでおなじみ、ポップ・スタンダード「Christmas(Baby Please Come Home)」を、ソウルフルなビートに乗ってアクティブに。そしてマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」を、とことん楽しくハッピーに。和服の裾をひるがえし、ステージ狭しとパフォームする姿に、うっとりと聴き惚れるファンのあたたかいクラップ。いい雰囲気だ。

「いろんなアーティストがいる中で、たぶん一番早いクリスマス・コンサート。最後まではっちゃけて、好きなように盛り上がって、楽しんでください!」

 ニューアルバム『GO EAST』(日本語盤)、『GO WEST』(英語盤)は、ニックの前向きなチャレンジを詰め込んだ新境地。ファンキーな「W/W/W」、ドリーミーな「We Get By」、スペイシーな「Homebound」、エレクトロな「Loving My Lover」と、どの曲も精密なビート、キャッチーなメロディ、応援歌やラブソングなど等身大の歌詞を揃え、耳にも体にも心地よい。「Loving My Lover」はダンサー2人を従え、振り付けもばっちり決まった。ニックの佇まいには、天性の華がある。

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 先ごろ『のどじまんTHEワールド! 2016』(日本テレビ系)でも披露した清水翔太のカバー「HOME」は、目を閉じて思いをこめて。「恋しちゃったよ」は、明るいパーティー・ロックのアレンジで、コール&レスポンスもにぎやかに。バンドメンバーのソロパートあり、全員揃ってのジャンプありと、ニックのコンサートには欠かせない楽しい1曲だ。

 「恒例、ルイの、ニックになんでも聞いてみよう!」ここでダンサーのルイがマイクを持ち、ニックに次々と質問を浴びせかける、おなじみのトーク・コーナー。Q.今年のクリスマスイブは何してる? A.25日に歌うから早寝する。 Q.人生で一番恥ずかしかったことは? A.この間お台場のイベントで転びそうになった。 Q.10年前の自分に何を言いたい? A.大丈夫だよ。なんとかなる。こんなにいい未来が待ってるんだから。ーージョークあり、シリアスあり、ニックのオネストな人柄が伝わるほっこりトーク。そして次のバラード「恋におちたら」を、フロアに降りてファンの真ん中で歌うニック。子供っぽい純真さと、アダルトな男らしさと。ニックの歌の中には様々なニックがいる。

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 さあ、コンサートもそろそろ終盤だ。派手なダンス・ロック「Feel It」から、ぐっと加速して「She’s The Stranger」、きらびやかなシンセが輝くポップ・チューン「夢を力に」と、ハイテンションで笑顔いっぱいに。ライトはギラギラ、ビートはブリブリ、ロック・スター、ニックの面目躍如たる圧巻のパフォーマンス。そして10月の大阪でのコンサートに、故郷のオレゴンから母、祖母、叔母を招待したことに触れ、「親孝行させてくれてありがとう!」。歌からも、トークからも、ニックの人間性がそのまま伝わってくる。それがニックのコンサート。

 壮大なバラード「My First Love Song」で、感極まって歌詞に詰まるニック。代わりに歌うファン。素晴らしいシーンにぐっと胸に迫る思いを感じつつ、一転してラスト・シーンは明るく楽しく、再びクリスマス・ソングの3連発だ。スタンダード「Feliz Navidad」、オリジナル「Happy X’mas Train」、そして「Silent Night」。空から白い雪が舞い降り、ミラーボールがゆっくりと回る。今年もクリスマスの夜に、幸せな夢は届く。美しい夜を締めくくる、美しい歌。

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