乃木坂46、“サヨナラ”を前向きに捉えた橋本奈々未ラストシングルも 11月9日発売の注目新譜5選

[Alexandros]『EXIST!』(AL)

 シングル曲「Girl A」「NEW WALL」「I want u to love me」「Swan」を含むニューアルバム。NHK総合の音楽番組『SONGS』に出演、前作『ALXD』収録の「ワタリドリ」がアサヒビールのCMソングとしてオンエア、新曲「Nawe, Nawe」が映画『ターザン:REBORN』日本版主題歌に起用されるなど、様々なメディアに露出することで大きく知名度を上げている彼らだが、海外のインディーロック、ヒップホップ、ダンスミュージックなどを自在に取り入れたその音楽性はさらに研ぎ澄まされ、ロックバンドとしての個性と存在意義はこれまで以上に強く示されている。奔放すぎるアイデアを具現化させるメンバーのアレンジ力と演奏テクニックも向上しているが、その中心にあるのはもちろん川上洋平のメロディセンス。どんなサウンドのなかでもビビッドかつポップな存在感を放つ彼の旋律とボーカルは、このアルバムによってひとつの高みに達したと言っていいだろう。

[Alexandros]「Feel like」

The Birthday『夢とバッハとカフェインと』(SG)

 10周年を迎えた2015年は初のベストアルバム『GOLD TRASH』、8thアルバム『BLOOD AND LOVE CIRCUS』をリリース。さらに3度目の武道館公演を成功させるなど、精力的なアクションを見せたThe Birthday。ライブの熱量、楽曲のクオリティを含めて、彼らがさらなる充実期に入っていることは、約1年5カ月ぶりのシングルとなる本作からも強く感じ去れる。表題曲「夢とバッハとカフェイン」は腰の入った濃密なグルーヴと鋭利なギター・アンサンブルを軸にしたミディアムテンポのロックンロール。徹底的に削ぎ落とされたバンドサウンド、ブルーズを感じさせるボーカル、“なるようにしかならない、生きるしかない”という意志を含んだ歌詞がひとつになったこの曲は、すでにロックンロール・クラシックの風格を備えつつも、このバンドが新しいフェーズに突入していることを明確に伝えている。音楽的にはまったくブレず、自らの表現欲求だけを追求する。「かっこいいに決まってんだろ、そんなもん」と言いたくなる、素晴らしい新曲である。

The Birthday「夢とバッハとカフェインと」

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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