ドレイク、“10億回再生”達成後の動きは? 渡辺志保が最新曲&MVを一挙解説!

 そして、最後に紹介したいのがアトランタのラッパー、21サヴェージをフィーチャーした「Sneakin’」。

 この21サヴェージというラッパー、ダークなフロウが特徴的で、2015年にミックステープを発表した後、2016年に入って急速に注目されるようになりました。非常にハードコアなMCでして、小学生の時にすでに銃を所持していたことで学校を退学になるという経験の持ち主。ギャングのメンバーで、額にはナイフのタトゥーも……。そんな21サヴェージとのスリリングなマイクパスを繰り広げるこの楽曲ですが、曲中、最近のドレイクにしては少々珍しく、しつこい押韻スタイルを披露しています。1ライン目の最後の部分「you can't plan it」に始まり、そのあと、「satanic」「stand it」「titanic(タイタニック)」……と同じ母音を軸に展開していきます。続く21サヴェージも同じ韻の展開でヴァースをスタートしており、ドレイクから投げられた「タイタニック」という韻のボールをしっかりキャッチし、同じ「タイタニック」を用いて韻を踏んでいます。ちなみにドレイクが比喩表現として用いたタイタニックは「お前は破綻しちまって、まるでタイタニックのように沈む」という意味なんですが、21サヴェージは「儲かってしょうがねえから俺の財布はパンパンになっちまって、タイタニックのように(ポケットの中で)沈む」と、逆の意味で使用しているのも対象的で面白いです。

 ドレイク、2017年は年始早々大規模なヨーロッパ・ツアーも予定していることも先日発表されました。今回、幾つかの新曲とともに、UKのラッパー、デイヴの楽曲「Wanna Know」のリミックスも発表しているドレイクなのですが、ロンドンでは連続して6日もライブを行うそうで、すでに懇意にしているUKのレーベル、<Boys Better Know>(スケプタの活躍でお馴染みですね)辺りとのコラボ・プロジェクトもあるかも?と期待が高まります。と、その前に12月に発表される『More Life』が何より楽しみ! どんどん新しいことにチャレンジして、我々を驚かせて欲しいです。その前に、まだ『Views』を聴いてなーい!という方がいましたら、今からでも遅くありません! ぜひともチェックしてみてくださいね。
 
 最後は『Views』のボーナストラックとして収録されており、昨年の大ヒット曲となった「Hotline Bling」のMVでお別れです。先日、ホワイトハウスで催されたイベントで、オバマ大統領がこの曲に合わせて踊っているムービーもインスタグラムにアップされていました(撮影したのはアッシャーです)。それでは、また!

ドレイク「Hotline Bling」

■渡辺 志保
1984年広島市生まれ。おもにヒップホップやR&Bなどにまつわる文筆のほか、歌詞対訳、ラジオMCや司会業も行う。
ブログ「HIPHOPうんちくん」
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blockFM「INSIDE OUT」※毎月第1、3月曜日出演 

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