在日ファンクのライブはドキドキが止まらないーー『レインボー』ツアー追加公演レポート

在日ファンク、ツアー追加公演レポ

 在日ファンクが9月1日からスタートした『メジャー2ndアルバム「レインボー」完成ツアー』は大盛況を見せ、10月12日に代官山UNITにて追加公演を行なった。

 会場に入ると、メンバーの浜野謙太(Vo.)と永田真毅(Dr.)、村上啓太(Ba.)がDJを行なって会場を盛り上げていた。以前行なわれたライブ『ば』では、メンバーによるウェルカム・テキーラが振る舞われたこともあり、このバンドのサービス精神の旺盛さに感服する。DJプレイが終わり、暫く経つと会場が暗転。SEが鳴り響き、カラフルなスーツに身を包んだメンバーが次々と登場。この日はゲストパーカッションのIzponも加わり、8人編成によるパフォーマンスが行われた。イントロの演奏が終わると、「むくみ(アフロ)」がスタート。ハマケンこと浜野謙太(Vo.)は、派手なピンクのスーツにリーゼント姿でエンジン全開だ。続く「ぽいぽい」の後、「会いに来てくれてありがとう!」とハマケンが叫ぶと3曲目の「城」へ。ミドルテンポのこの曲で、上がりすぎたボルテージを一旦クールダウンする。村上基(Tp.)によるトランペットの音色も耳に心地よい。

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 落ち着きを取り戻すと、「ありがとう! レインボー完成ツアー東京追加公演!」というハマケンの言葉と共に、寅さんのテーマが演奏される。「We are 在日ファンク!」とお決まりのワードが飛び出すと、すぐに「ぬるまゆファンク」がスタート。「俺と一緒に踊ろう!」と言うハマケンは、満面の笑みだ。そして照明がピンクに変わってムーディーな雰囲気になると「いいこと」がスタート。少し顔をしかめて歌うハマケンは、もはやジェームス・ブラウンにしか見えない。「君のいいところ」では、ハマケンのマイクスタンドパフォーマンスやステップ、後関好宏(Sax.)のサックスソロが次々と披露され、テンションのゲージは青天井だ。すると、仰木亮彦(Gt.)のカッティングが鳴り響く。「爆弾こわい(ディスコ)」である。通常バージョンよりもややテンポが遅くなったアレンジで、その分グルーヴ感が増している。途中、ベースとギターが徐々にテンポアップしていき、ジェントル久保田(Tb)とハマケンによる“ふっ飛べコール”も。最後はホーン隊の全開の演奏により曲が終了した。

 メンバーがMCに入る準備をしていると、客席から「星野源よりカッコイイ!」と声がかかる。これにはメンバーも笑わざるを得ない。こんなブラックジョークすら楽しい雰囲気にしてしまうのは、“在日ファンクマジック”だろう。また、MC開けの「ぼくきみ電気」が始まる前、ハマケンが曲についての想いを語ったのだが、独特の世界観すぎて観客の頭の上に“?”が浮ぶ。すると、客席から「しっかりー!」と声援が飛び、再び笑いが起こっていた。

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 そんな和やかな雰囲気の中スタートした「ぼくきみ電気」は、優しくセクシーな曲調。後関がサックスをフルートに持ち代え、トランペット・トロンボーンもミュートを付ける。会場が古い洋画の一場面のような雰囲気に包まれ、続けて「嘘」が始まる。「Lie Lie Lie,Lie La Lie…」の部分ではメンバーも観客も身体を横に揺らし、心地良い余韻が残った。曲が終わると、徐々にギターの音が上がってきて「リオから!」「東京へ!」という謎のコールアンドレスポンスが始まる。「地名言うの楽しい」とハマケンが言うものだから、てっきり「場」がくるのかと思ったが、「在日ファンクは2020年も京都を応援します!」と「京都」がスタート。「京都」と言えば、仰木による“京都アンドレスポンス”だ。会場の立地にちなんだ“渋谷区”コールと、韻を踏んだ“充分焼く”コールで観客を温めると、仰木の見せ場の始まりだ。ギターソロを引きながらステージを端から端まで移動したり、観客とハイタッチをしたり、一体感を高めていった。

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