Spotify、ついに日本上陸ーー注目すべきポイントは「更新性」と「グローバル化」?

 このようにSpotifyが全世界の音楽マーケットをつなぐサービスとなった理由について、コウガミ氏はこれまでの音楽流通とは異なる仕組みであることを指摘する。

「いままでCD販売や音楽配信を海外で行う際、それぞれのディストリビューションを探して契約しなければならなかった。しかし、Spotifyの場合は曲やプレイリストをプラットフォーム上で共有するという仕組みのため、そういった流通をかませることなく音楽を海外に届けられる可能性が増す。ピンポイントで音楽を海外に届けることができるようになっていくはずです。しかしライセンスの点では、メジャーレーベルを中心に調整が必要になっているよう。Spotifyにはフリーで聴けるオプションがあるため、ほかサービス時のライセンスでは対応できないのでは。日本以外の国でも聴かれるようになっていることがこれからもっと証明されれば、参加したいというアーティストやレーベルも増えてくるとは思います。人気のある海外アーティストの前座を務めた日本人アーティストの楽曲がSpotifyで配信されていて、全世界のファンがその曲を聴く…といった流れも今後出てくるでしょう」

 「プレイリスト」と「グローバル化」により、音楽の聴き方、さらに音楽シーンを大きく変える可能性のあるSpotifyの日本上陸。無料プランも用意されていることにより、日常的に音楽を楽しむユーザーの増加、音楽への関心が高まることにも期待したい。

(文=久蔵千恵)

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