嵐、リオ五輪テーマ曲は“ブラジル×ジャニーズ”の新機軸? 洗練されたダンス・ポップ調の楽曲に

 ちなみに「ブラジル×ジャニーズ」という意味では、嵐「Power of the Paradise」の前に先例が2曲ある。それが2014年のFIFAワールドカップブラジル大会の中継テーマソングとなったNEWS「ONE -for the win-」。そして『2016リオデジャネイロオリンピック バレーボール世界最終予選兼アジア予選』のイメージソングとなったSexy Zone「勝利の日まで」だ。

 ファドの哀愁あふれるテイストを取り入れたNEWS「ONE -for the win-」も、イントロのセリフ部分が印象的なSexy Zone「勝利の日まで」も、どちらもラテン・パーカッションを前面に打ち出した楽曲だ。わかりやすくブラジルのイメージを打ち出すためには、サンバのリズム、そしてスポーツの応援ソングであるということを打ち出すために大観衆の歓声が重ねられている。

 「サンバ×大歓声」が「ブラジル×ジャニーズ」のこれまでの一つの通例だったとすると、そこから少しズラしてきたのが嵐の「Power of the Paradise」だ。プロダクションの巧みさを感じざるを得ない。

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

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