夢みるアドレセンスが5年目にして手に入れた、“カワイイだけ”じゃない強さ

夢アドが手に入れた“カワイイだけ”じゃない強さ

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 “重大発表”はこれだけでは終わらなかった。“PART2”として発表されたのは、2014年から続く定期公演『YUMELIVE!』が9月で終了することだった。観客から思わず「えーっ!?」という声が漏れるが、その反応を予想していたかのように荻野が「ですが……?!」と続け、新たに『YUMELIVE! JAPAN』企画が始動することを発表。秋葉原・AKIBAカルチャーズ劇場から渋谷・WWWへと会場を移し、9月23日から毎月行われるという。このところの『YUMELIVE!』は激しいチケット争奪戦となっていたが、場所の変更、キャパシティの拡大だけではないようで、「日本全国まわっちゃうかも!?」との注目発言も。それを受け、「全国行きたいっ! 盛岡とか花巻とか川井とか行きたいっ!!」と志田が興奮するも、「それ全部岩手だよね?」とバッサ切られて会場の笑いを誘った。(※志田は岩手出身)

 「こうして4周年をみなさんとワイワイお祝いできたのも、これからワクワクすることが待ってるのも、ここにいらっしゃるユメトモ(※夢アドのファン)が私たちを支えてくださってるからだと思っております。ユメトモのみんな、いつもありがとうございます」

 荻野があらためて感謝の意を述べると、温かい拍手が起こる。

「夢みるアドレセンスは5年目を迎えます。ここから先、リアルな話、カワイイだけじゃダメだと思ってます。今はまだ“顔だけカワイイ”とか言われがちな私たちですが、これから出るアルバム、パワーアップしたライブ……新しい武器を手に入れて、私たちは、私たちの、私たちなりの道を進んでいきます!! なので、夢アドについてきてくれますかーー?」

 ユメトモが歓声をあげて応えると、「5年目もよろしくね! ファンタスティックパレードォォォーー!!!!」荻野がありったけの声でタイトルコールでバックビートのリズムとオリエンタルなギターフレーズが襲い掛かる。今やライブの盛り上がりには欠かせないキラーチューン「ファンタスティックパレード」。手を回す印象的な振りを、荻野の扇動する「くるくるとーん!くるくるとーん!」の掛け声に合わせ、メンバーに負けじとユメトモも右へ左へと手を回して熱狂する。この日、一番の盛り上がりを見せ、ライブは終了した。

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 ライブ後に行われた、グッズ購入者の特典会終了後の最後の挨拶にて、ファン有志によるサプライズ。メンバーカラーに彩られた花束が贈られた。

 「みんな大好きーー!! ユメトモ大好きー!!」

 荻野の喜びにあふれた甲高い声が、真夏の空に響き渡った。

 ライブは全5曲、30分ほど、欲をいえばもう少し観たかった気持ちはあるが、夢みるアドレセンスの現在を魅せつけるに充分な内容だった。まだそれぞれがティーンファッション誌のモデルだった頃には想像も出来なかった、ジャンル無双のさまざまなアーティストとのコラボによる異様なほどの強度を誇る楽曲群と、底知れぬ5人の力量の融合。とくにここ最近、イベントなどで見せる、初見の観客をも飲み込んでいく気迫は凄まじいものがある。先述の『YUMELIVE! JAPAN』は1回目となる9月23日のチケットが販売開始3分で即完売するなど、その勢いは止まらない。カワイイだけじゃない、5年目の夢みるアドレセンスに期待が膨らむばかりだ。

■冬将軍
音楽専門学校での新人開発、音楽事務所で制作ディレクター、A&R、マネジメント、レーベル運営などを経る。ブログtwitter

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