SMAP解散報道がファンや後輩ジャニーズに与えた衝撃 社会学者の太田省一氏に聞く

 また、後輩グループの各メンバーが番組で次々とコメントを残していることについて、太田氏はこのように受け止める。

「先に挙げた中丸さんのほか、NEWSの小山慶一郎さんは整然とした形でグループ活動を続けることの難しさとそれでも続けていくことの意義について話し、TOKIOの国分太一さんと山口達也さんは、自分たちにも解散危機があったことを告白。国分さんは、同期に近いSMAPの存在があったことで今の自分たちの活動もあると思いをこめて語っていました。また、中丸さんが『少なからず同じ事務所の後輩は絶対に影響を受けている』と語ったように、自分たちが将来目指すべき方向を常に示してくれていた彼らの解散報道を、後輩グループそれぞれにある種の“宿題”を残すものとして、それぞれが深く受け止めたのではないかという印象でした」

 最後に太田氏は、「今の彼らに期待すること」として、以下のようにコメントしてくれた。

「SMAPは結成から28年間、節目節目に道標となる存在でした。震災があった時は私たちにできることは何か考えるきっかけをくれたり、チャリティーを呼びかけてくれたり、自分たちの役割を自覚しつつ世の中と積極的に交わる姿を見せてくれていました。また本人たちも最初から完璧になんでもこなせたわけではなかったですし、苦難にも見舞われたグループであったからこそ、思い悩みながらも前へ進む彼らの姿に、人生の伴走者のような親近感を覚えてきた人も少なくないでしょう。一連の報道については、SNSでファンが情報交換・発信できる時代になってくると、報道に反論する人も現れるなど、マスメディアが報道するストーリーが額面通りに受け止められる時代ではなくなってきています。この半信半疑の状態を終わらせるのは本人たちの言葉でしかないと思いますし、『SMAPなら私たちを待たせすぎることはないだろう』という信頼関係もファンとメンバーの間にはあると確信しますので、今はひたすらにその声を聞かせてほしいと願うばかりですね」

 解散発表以降、報道ばかりが先行している現在の状態に不満を持つファンは少なくない。果たして彼らの言葉で今回の騒動について語られるのは、いつのことになるだろうか。

(文=編集部)

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