雨のパレード・福永浩平、新しい“歌のあり方”を語る「日本のポップスを更新していきたい」

雨のパレードが求める新しい“歌のあり方”

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「曲にとっての『本当に大切にすべきもの』っていうのは、メロと歌詞」

ーーコメントには「本当に大切にすべきものを大切にできていればなにがあっても大丈夫だと思っています。雨のパレードにとって本当に大切にすべきものは応援してくれるみなさんです」ともありますね。メジャーデビューをして、ツアーの経験を経て、応援してくれるファンともっと精神的に近づきたいと思ったからこそ、「You」のような曲を書いたんじゃないかとも思ったんです。

福永:そうですね。バンドにとっての「本当に大切にすべきもの」って、いい曲、いいライブ、それとファンを大切にすることだと僕は思ってるんです。それをわかってる人とわかってない人って、結構大きな差があると思ってるんで。

ーー4月に行われたclubasiaでのツアーファイナルで、「尊敬する人物に<僕らが生活できるのはレーベルとか事務所にお金をもらってるからじゃなくて、CDを買ってくれる人がいるからだよ>と言われた」というMCがありましたよね。

福永:「ファンのことは大事にしよう」ってずっと思いながらやってきてるんですけど、最近は少しずつライブの会場とかも規模が大きくなってきて、一人一人に対応することができなくなってきたので、もしかしたら、歌詞で寄り添いたかったっていう部分もあったのかもしれないです。

ーー「You」はすでにライブでもやってるんですよね?

福永:すごく大変です(笑)。

ーーどういう意味で?

福永:今回の挑戦として、間奏をなくそうと思ったんです。僕の聴いてる界隈の方は意外と間奏がなかったりするんで、今回はメロに重きを置いて、間奏をなしにしたら、歌詞の量がものすごい多くなって、ライブで歌い切るのが大変で(笑)。5分半の間に2小節くらいしか間奏ないですからね(笑)。しかも、思い入れも強いから、自分の熱量と歌の技術の折り合いをちゃんとつけて歌うのも難しい。ただ、「ライブで初めて聴いて泣いた」っていう子がいっぱいいたりして、それはすごく嬉しいことですね。

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ーー「メロに重きを置いた」という話でしたが、それは僕も今回のシングルに感じたことで、アルバムでまずサウンドの新しさを提示して、今回はそれを踏まえた上で、しっかりと「いい歌」を提示しようとしたのかなって。

福永:あると思います。前からずっと意識はしてるんですけど、よりその思いが強くなったのかなって。より多くの人に届けるためには、やっぱりメロと歌詞だと思うんですよね。曲にとっての「本当に大切にすべきもの」っていうのは、メロと歌詞だなって。

ーー前回の取材のときには、ユーミンやハナレグミも好きだっていう話をしてくれてましたよね。

福永:この前別の取材で「いい歌を歌う人が好きだね」って言われて、確かになって思って、歌にも魅力がある人が僕は好きなのかもしれないです。メロや歌詞がよくても、歌ってる人が好きじゃなかったら、好きにならないのかもなって。

ーー影響を受けたり、憧れてるシンガーっていますか?

福永:どうでしょうね……子供の頃に歌で惹かれたのは、サラ・ヴォーンなんですよね。オシャレな感じになっちゃうけど(笑)。あとはさっきも名前を挙げた玉置浩二さん。母が『スペード』ってアルバムを持ってて、ブルースのアルバムなんですけど、昔それをめっちゃ聴いてて、すごくいいんですよ。この前実家に帰ったときに、何気なくそのアルバムを車で流したら、歌ってると気持ちよくて、歌い方に影響を受けてるのかもなって思いました。

ーー玉置浩二さんはシンガーとしてものすごい方ですもんね。

福永:ホントにすごい。歌に生き方がすごい出てるなって思いますね。

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