嵐 松本、KAT-TUN、A.B.C-Z 河合…「影のプロデューサー」としてコンサートを支える手腕と方向性

A.B.C-Z 河合郁人

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(C)タナカケンイチ

 2014年のコンサートから本格的に演出を手がけ始めた河合。これまで、A.B.C-Zのコンサートの見どころといえばアクロバットや、サーカス顔負けのパフォーマンスであった。しかし、河合が演出を手がけ始めたことにより、「メンバーを一番かっこよく魅せる」という観点が加わったように思う。河合の演出には、ファンに対する「これが見たいんだろ?」という自信さえも垣間見える。橋本良亮は甘いバラードや激しいダンスなどあくまでもセンターとしての魅力を、五関晃一は磨き上げられた唯一無二のダンスを、戸塚祥太はビジュアルと無骨な男らしさを強調している。かと思えば、塚田僚一は女装をして連続バク転をするというおなじみのキャラを全面に出し、いつものA.B.C-Zを魅せるのも忘れない。特筆したいのは、『Summer Concert 2014 A.B.C-Z★"Legend"』での戸塚×五関による『まいったネ今夜』だ。このコンビは想定外であったが、ファンの期待を裏切らなかった。ダンススキルの高い五関とビジュアル担当の戸塚によって生み出される魅力は、メンバーだから思いつくものであろう。河合の演出力は、ファンに新しい魅力を提示することに長けていると思う。今後も次々と新しいA.B.C-Zを見せてもらいたい。

 コンサート演出以外にも、衣装やMCの内容などの役割を担当するジャニーズメンバーは少なくなく、プロ顔負けの成果を着実に上げている。彼らが表舞台だけでなく、影でもコンサートに真摯に向き合っている以上、ジャニーズコンサートのクオリティが衰えることはなさそうだ。今年も、これからコンサートを行なうグループはたくさんある。ぜひ演出に注目してみてはいかがだろうか。

(文=高橋梓)

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