内田彩の勢いが止まらないーー武道館公演も発表したコンセプトライブをレポート

内田彩の勢いが止まらない

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 アンコールは、同公演唯一となる2ndアルバム『Blooming!』からの楽曲であり、四つ打ちのポップチューンに乗せた跳ねるような言葉の嵌め方が心地良い「with you」をパフォーマンス。直後に「ここですごい発表があります! 8月13日、日本武道館でライブをすることになりましたー!」と叫ぶと、客席からは大きな歓声が上がり、内田も「すごいよね! 意味わかんないでしょー(笑)!?」と目を潤ませながら笑顔をみせると、「私がソロデビューしてから今まで出してきた全曲歌います! 攻めるねー! もう誰か止めてよー(笑)!」と、2014年11月のソロデビューから約1年半で4枚のアルバムリリースをし、日本武道館公演にまで到達したスピードの速さについて驚きを隠せないようだった。アンコール2曲目では再び「Floating Heart」を歌ったのだが、ここではラストサビの<ふたりだけのステージ>を<みんなと一緒のー! ステージ!>といたずらに照れ笑いしながら言い換える一幕も。

 ライブはここで終了と思いきや、内田による最後のMCへ。彼女は「ソロデビュー時は『デビューしたくない』って思ってたんですよ(笑)。声優になりたくて、アイドル役で歌って踊ったりはしてましたけど、その延長線上でデビューはしたくなかった」と前置きし、デビュー後の活動について「私にしかできない何かを表現できたらと思って突っ走ってきたんですけど、こんなに一緒に喜んでくれるみんながいて『間違ってなかったんじゃないか』と思えて、月並みなんですけど幸せを感じます!」とコメント。続けて「私も悩んだり『ヤダー!』って言ったりすることはたくさんあるんですけど、今日みたいに笑いあえる夢のような時間を大切にしたい。これからもスウィートだけどビターさを忘れない内田彩でいたいと思います!」と笑顔でファンに語りかけ、ステージ袖へ捌ける直前に「ちょっと大好き。バイバーイ!」とささやいて公演は幕を閉じたが、最後の最後で内田が“デレ”な一面を見せたことにより、幸せな余韻を味わうファンの姿を多くみられた一日だった。

 本人が「もう誰か止めてよー(笑)!」と冗談交じりに語っていたが、内田の勢いはこの日発表となった武道館も越え、より先に向かって加速していくだろう。声優としての実力、キャラクターとしての魅力は言わずもがなではあるが、シンガーとしてのポテンシャルや彼女の活動を支えるクリエイター陣によるハイクオリティな楽曲とアートワークは、シーンを飛び越えて広がるのかどうか、この先の展開に期待したい。

(取材・文=中村拓海)

■セットリスト
1.Floating Heart
2.color station
3.リードを外して
4.笑わないで
5.ピンク・マゼンダ
6.Sweet Rain
7.オレンジ
8.Merry Go
9.Breezinʼ
10.Party Hour Supprise
11.Sweet Dreamer

En1.I with you
En2.Floating Heart

■関連リンク
内田彩 アーティストHP
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