2016.05.21 13:00

夏代孝明が語る、歌への向き合い方と楽しさ「人それぞれ違うし、まったく個性のない人はいない」

文・取材＝杉山仁

「音楽って、衣食住の外にあるものなので、生活の中で絶対に必要なものではない」

――そして今回、1stシングル『クロノグラフ』がリリースされますね。この曲はどんなイメージで考えていったものなんでしょう。

夏代：タイトル曲の「クロノグラフ」は『フューチャーカードバディファイトトリプルディー』のオープニングテーマなので、アニメのストーリーに繋がるものにしつつ、僕が今思うことも詞に書かせていただきました。今回は自分で作詞した曲が初めて3曲も入るので、今後活動を続ける中でこの作品を聴き返す時がくると思っていて。それなら後で聴く時のために、今自分が悩んだり思ったりしていることを書き記しておこうと思ったんです。そんな風に将来の自分への道しるべになればいいなと考えつつ、同時にこの曲を聴いてくれる人の中で迷っていたり、困っていたりする人に対して「自分なりの解決方法を伝えたい」と思って作詞をしました。そもそも音楽って、衣食住の外にあるものなので、生活の中で絶対に必要なものではないですよね。それでも僕の歌を必要としてくれる人がいるのなら、その人たちの普段の生活をどれだけ豊かに出来るかを考えていきたいと。その方法は色々で、「楽しい」という感情を伝える曲も、葛藤のようなものを伝える曲もあっていいはずですが、「クロノグラフ」は聴いた人が少し楽な気持ちになれるようなものを作れたらいいなと思ったんです。

――そうしたメッセージを「クロノグラフ（＝ストップウオッチ機能を備えた腕時計や懐中時計）」というイメージに託しているのが面白いですね。

夏代：クロノグラフは、時計の中にあるもうひとつ時計を指した言葉ですが、その2つの時計を、「世界の中で流れている時間」と、「自分自身の中で流れている時間」として対比したら面白いんじゃないかと思ったんです。世界の終わりに時計が止まってしまう時に、それは自分自身で止めているのか、それとも世界自体が止まってしまったのか――。色々と考え方があるはずです。そういうことをリンクさせて表現できたらと思っていました。今回の楽曲が少し憂いのあるメロディだったので、そこに合うような形で連想しましたね。

――この曲の歌に関して、特に意識したのはどんなことですか。

夏代：「クロノグラフ」では、2つめのサビが終わった後の急にやわらかくなる部分をどれだけ優しく表現できるか、自分の中でメリハリをつけて考えていきました。

――他の人がカラオケで歌う際のポイントもそこですか？

夏代：そうですね。CDにインストも入っているので、みんなにも挑戦してもらいたいです。他の人がどんな風に歌うのか、僕も聴いてみたいですし。

――リリースを控える今の心境としては、アルバム『フィルライト』をリリースした時とも、また違ってきていますか？

夏代：あのアルバムも1枚目だったのですごく緊張したんですけど、今回は自分の言葉で歌っている曲が多いので、「みんながどういう風に受け止めてくれるだろう？」ということはすごく気になるし、緊張します。今回の曲は自分の思いを正直に書いたもので、自分としては「いいものができたな」という自信があるので、あとは聴いてくれる人も楽しんでもらえたら嬉しいです。僕が今出来ることは全部詰め込みました。

――最後に、これから挑戦してみたいことがあれば教えてください。

夏代：実は、新たに自分が作詞・作曲した曲のデモがいくつかできているんです。次も作品という形で、自分の言葉で伝えられる日を楽しみにして頂けたら嬉しいです。

（取材・文＝杉山仁）

■イベント情報
『KARAOKE WORLD CHAMPIONSHIPS 2016』
募集期間 2016年4月1日～5月31日

2016年7月2日（土）東京大会　渋谷：渋谷クラブクアトロ
https://www.club-quattro.com/shibuya/
2016年7月16日（土）大阪大会　梅田：amHALL(アムホール)
https://www.amhall.jp/
2016年8月27日（土）決勝大会　六本木：ニコファーレ
http://nicofarre.jp
2016年10月6日（木）～10月9日（日）アジア大会
中国・マカオ（前後各1日は移動日）
2016年11月1日（火）～11月6日（日）世界大会
カナダ・バンクーバー（前後各1日は移動日）

＜特典＞
各地区予選大会優勝者：日本大会（東京）までの交通費を運営会社が負担
日本代表：アジア大会、世界大会準備金＋渡航・宿泊費を運営会社が負担

※募集概要、応募に関してはこちら（https://kwcjp.com/）