PIGGY BANKSが示す、ガールズ・ロックのバンド魂ーー硬派かつ変化球に富んだ『タイムスリラー』

PIGGY BANKS『タイムスリラー』評

 PIGGY BANKSが不思議なバンドであるのは、同じ志を持って集まったというわけではなく自然と集まったという、少し変わった結成経緯を持つことである。もともとは“一夜限りのバンド”であり、「シーンを変えてやる」と意気込んだものでもない。キャリアも充分にある彼女たちが、あらためて「バンドをやりたい」ということから集まったそうだ。大義名分や小難しい講釈に陥りがちな現在の音楽シーンでは珍しい事案であるが、変に理論武装するよりもよっぽど清々しく、カッコいい。

 そうした意味でも本作ははじまりでもあるし、今後の進化が楽しみでもある。アルバムのオープニングを飾る「CORONA」は制作過程で、“らしさ”を見いだしながら最後のほうに作られた曲だというが、いかにもこのバンドを象徴しているような楽曲であるように思う。レトロでバルクな響きを持ったこの狂騒がかき鳴らされ、PIGGY BANKSのはじまりを告げるのだ。

■冬将軍
音楽専門学校での新人開発、音楽事務所で制作ディレクター、A&R、マネジメント、レーベル運営などを経る。ブログtwitter

■リリース情報
1st album『タイムスリラー』
発売:2016年4月6日(水)
価格:¥2,500+税
<収録曲>
CORONA(words:yoko music:keme)
Wicked go(words:yoko music:古城康行)
タイムスリラー(words:yoko music:百々和宏(MO’SOME TONEBENDER))
One Way Or Another(words&music:NIGEL DOUGLAS HARRISON/DEBORAH HARRY (Blondie COVER))
らんらんらん(words:akko music:百々和宏(MO’SOME TONEBENDER))
ゾンビーボーイ(words:yoko music:古城康行)
Funky Monkey Ladies(words:yoko music:PIGGY BANKS)
キラワレモノ(words:yoko music:上原子友康(怒髪天))
Rock’n’Roll Hearts(words & music:akko)
Oct.(words:akko music:古城康行)

■ツアー情報
『時間泥棒ツアー』

5月6日(金)鳥取・米子 AZTiC laughs
w/BUGY CRAXONE/THE TON-UP MOTORS/Large House Satisfaction

5月7日(土)岡山PEPPER LAND
w/BUGY CRAXONE/THE TON-UP MOTORS

5月8日(日)大阪 心斎橋CLAPPER
w/BUGY CRAXONE/月光グリーン

5月14日(土)愛知・名古屋ell.SIZE
w/ザ・ビートモーターズ/浮遊スル猫

5月15日(日)京都磔磔
w/ザ・ビートモーターズ/浮遊スル猫

5月29日(日)北海道・札幌KLUB COUNTER ACTION
w/THE TON-UP MOTORS

6月4日(土)東京・渋谷Milkyway
w/THE TON-UP MOTORS/BUGY CRAXONE

PIGGY BANKS オフィシャルサイト
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