欅坂46、異例の『Mステ』スピード出演へ グループの特色から快進撃の理由を紐解く

 続けて同氏は、“AKB48グループ”と“坂道シリーズ”におけるコンセプトの違いが、欅坂46におけるクリエイティビティの洗練を生んでいると分析した。

「AKB48の姉妹グループは、これまで開拓していなかった新たな土地に常設劇場を持って連日ライブを行ない、それぞれの地域に根差した活動で、既存の48グループファンも巻き込みつつ徐々に人気を獲得していける強みがあります。一方、“坂道シリーズ”には常設劇場がなく、特定の土地を拠点にグループを展開していくことがありません。地域や“現場”を強みにすることが少ないぶん、テレビなどマスメディアが主戦場となることが多く、また独特の楽曲や映像作品、ファッション方面などオリジナルの得意分野の開拓によって、グループの基本カラーやコンセプトといった“らしさ”を強く作り上げる傾向にあります。乃木坂46は結成から5年近くの月日をかけて、そうしたカラーやブランディングを完成させてきました。今の“坂道シリーズ”には乃木坂46の成果で培った、ブランディングへの強い志向やノウハウがすでに蓄積されているため、欅坂46は最初からその強みを駆使してコンセプトを洗練させることができているように思います。そのため、1stシングルにしてここまで完成度の高いアウトプットを打ち出すことができたのではないでしょうか」

 また、『ミュージックステーション』初出演にあたって、香月氏はトークとパフォーマンスのギャップに注目してほしいと語る。

 「デビュータイミングなのでトークにはまだ若干不安はあるものの、曲が始まると途端にクールな表情へと変貌する彼女たちを見て、そのギャップにグッとくる視聴者も多いのではないでしょうか。そのギャップを実現するにふさわしい楽曲を初出演でパフォーマンスできることは、最初のインパクトを見せるうえで大きいと思います。また、詞の世界を集団の動きとして体現する特徴的な振付が見どころになっているため、番組中にはカメラワークにも注目したいところです」

 快進撃を続ける欅坂46は、『ミュージックステーション』でさらなるブレイクへと踏み出すのだろうか。番組の放送を楽しみに待ちたい。

(文=中村拓海)

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