ハロプロ春ソングは全部で何曲? 四季のハロプロ楽曲(春編)

<桜(歌詞)>
・黄色い自転車とサンドウィッチ/スマイレージ(2012|アルバム曲)
・みんなの木/ともいき・木を植えたい(2006|作詞:鈴木美穂)
・乙女の祈り/真野恵里菜(2009|作詞:三浦徳子)

 続いては曲中の歌詞に「桜」が使われていたケース。「黄色い自転車〜」はベストアルバム用に制作された一曲で、〈桜並木を通りぬけ〉て自然公園へ向かいサイクリングデートするという内容。「みんなの木」は〈ここに私はひとつ 桜の木を植えました ピンクのハートの花 大好きだから〉というフレーズが秀逸。「乙女の祈り」は真野恵里菜のメジャーデビュー曲で、〈源氏物語に出てくるみたいです はらはら散り出した 桜の樹の下で〉という古風な表現が似合うしっとりとした曲調だった。

乙女の祈り/真野恵里菜

<花(曲名)>
・たんぽぽ/タンポポ(1999|アルバム曲)
・風信子(ヒヤシンス)/松浦亜弥(2004|作詞:谷村新司)
・紫陽花アイ愛物語/美勇伝(2005|作詞:角田崇徳、斉藤未悠)

 桜以外の、春に咲く花を曲名に含んだものもいくつかある。モーニング娘。からの初めての派生ユニット・タンポポは、そのユニット名自体が春の花。アルバム『TANNPOPO 1』収録の「たんぽぽ」は、後に若干アレンジを変えてシングルカットされた「たんぽぽ (Single Version)」の方が有名だろう。

 3〜4月の春先に咲くヒヤシンスを曲名に冠した松浦亜弥13thシングルは、作詞・作曲が谷村新司というのが珍しい。しかし歌詞を見てみると〈桜の花びらを 踊らせるものは何?〉と、桜は出てくるのだが、風信子(ヒヤシンス)という単語は一度も出てこない。ただしその後に〈目には見えない風が そこに吹いてるから…〉と続き、サビも〈ありがとう 私はいつか私らしい風になる〉と、全体的に「風」、つまり風信=風の便りについて歌われた歌詞になっている。

 5〜7月が開花時期で、晩春〜初夏のいわゆる梅雨の時期が最盛期の花が紫陽花(アジサイ)。「紫陽花アイ愛物語」の歌詞は冒頭から〈長く長く降り注いでた 水無月彩る雨〉と始まり、水無月=6月から夏ソングという解釈もできるが、ここではギリギリ春ソングという括りにさせてもらう。

<3〜5月(曲名・歌詞)>
・ミニモニ。ひなまつり!/ミニモニ。(2002)
・抱きしめないで 〜日記付き〜/W(2005|アルバム曲)
・四月宣言/℃-ute(2010|アルバム曲)
・帰りそびれた故郷は/前田有紀(2003|c/w曲|作詞:上田紅葉)

 曲名や歌詞に3〜5月を含むものを挙げていく。「ミニモニ。ひなまつり!」は3月3日のひなまつりがテーマの一曲。「抱きしめないで 〜日記付き〜」はデートの情景を歌った一曲だが、後半にデート後の日記を朗読するパートがあり、そこでデートの日付が〈4月9日 土曜日 晴れ〉だということがわかる。℃-uteのアルバム『ショッキング5』収録で、MVも制作されたリード曲が「四月宣言」。前田有紀「東京きりぎりす」のc/w曲「帰りそびれた故郷は」には〈帰りそびれた故郷は 五月の空の白い雲〉というフレーズが出てくる。

四月宣言/℃-ute

<五月雨(曲名)>
・五月雨恋歌/W(2005|アルバム曲)
・五月雨美女がさ乱れる/Juice=Juice(2013)

 陰暦では5月、現在の新暦では6月の梅雨を指す言葉が「五月雨(さみだれ)」。前述したが、梅雨がテーマの歌詞についても今回は春ソング(晩春ソング)とさせていただく。W「五月雨恋歌」は、同じタイトルのボーカロイド曲もあるが同名異曲。J=J「五月雨美女がさ乱れる」は、歌詞の内容自体にはあまり梅雨感は無いアッパーチューン。〈この先ビシバシ行くぜ 弱気厳禁〉など強気な女性像が描かれており、ここで言う〈五月雨美女〉とは、雨ではなく汗に濡れて頑張っている女性なのでは、という妄想に駆られる。そうまるでライブ中のメンバー宮本佳林ちゃんのように……。

五月雨美女がさ乱れる (MEMORIAL EDIT)/Juice=Juice

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