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来日直前のザ・ケミスツが日本で高い評価を受ける理由 サウンド&ライブの魅力を徹底検証

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西廣智一
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 2月末にリリースされたTHE QEMISTS(ザ・ケミスツ)の3rdアルバム『WARRIOR SOUND』が、ここ日本でも好セールスを記録している。前作にあたる2ndアルバム『SPIRIT IN THE SYSTEM』が発表されたのは2010年夏のこと。以前には所属レーベル<NINJA TUNE>のショーケースイベントと『SUMMER SONIC 09'』で立て続けに来日。その後、2010年秋に再び<Ninja Tune>のイベントへ出演、2011年にはAsian Dub Foundationの来日ツアーにスペシャル・ゲストとして登場、そして2014年に『FUJI ROCK FESTIVAL '14』出演と、何度も日本の地を踏んでいるが、アルバムとしては6年ものブランクが生じている。にもかかわらず、彼らの新作がここ日本で高く評価されているのはなぜなのだろうか。

 THE QEMISTSはこの6年の間に、大きな変革期を迎えている。リアム・ブラック(G)、ダン・アーノルド(B)、リオン・ハリス(Dr)の3人で結成されたTHE QEMISTSは1stアルバム『JOIN THE Q』、続く2ndアルバム『SPIRIT IN THE SYSTEM』で曲ごとにさまざまなフィーチャリングボーカルを迎え、デジタルサウンドを軸にしたダンスロックを鳴らし続けてきた。しかし、ここ数年の間にオリバー・シモンズ(Vo)、ブルーノ・バランタ(MC)という専任ボーカリストが加わったことがアルバム制作に大きな影響を及ぼした。メンバーのレオンは「オリ(オリバー)は素晴らしい曲を書く。もちろんシンガーとしてもパフォーマーとしても素晴らしい。世界観をしっかりと意識している。彼の世界観が俺たちが作っていた、いわゆるアグレッシブな音楽とマッチしたのだと思う。立ち向かって自分の意見を言うという概念が共通していた。オリからはそのような影響を受けた。ブルーノとは長年一緒に音楽をやってきた。そこにオリが加わったとき、俺たちはバンドなんだ、という感じがした。友達グループで一緒に世界を冒険し、クールなものを見つけ、クールなパーティに行く。俺たちのステージをファンが見てもそういう仲間同士の雰囲気が伝わると思ったから、その感覚を維持したかった」と、新作制作についてコメントを寄せている。

The Qemists - No More (Music Video)

 『WARRIOR SOUND』と題されたこのアルバムはエレクトロミュージックやダンスロックの要素は残しつつ、過去2作にも散りばめられていたヘヴィロックの色合いが急増。それにより全体的な統一感は今まで以上となったが、それは専任ボーカリストのオリバーが加わったことも一因だろう。それに加えギターの比重も高まり、これまでダンスミュージック/クラブミュージック愛好家から親しまれていたTHE QEMISTSがラウドロックファンからも注目される結果となった。これが今回の高評価につながったのではないかと、個人的に感じている。

 ラウドロックといえば、本作には日本からCrossfaithのフロントマン、Kenta Koieがアルバム4曲目「Anger」にフィーチャリングボーカルとしてゲスト参加している。1stアルバムではFAITH NO MOREのマイク・パットン、2ndアルバムではENTER SHIKARIとヘヴィロック界隈のアーティストが参加していたが、エレクトロなテイストはあるもののヘヴィなサウンドが信条のCrossfaithのシンガーが参加となればまた話が変わってくる。「Crossfaithは俺たちもフォローしているバンドで、ライブも観たことがある。俺たちは日本に行ってライブしたこともあるし、日本が大好きだ。Kenta Koieはエネルギッシュでヘヴィなボーカリストで、今まで仕事をしてきたアーティストたちとは違うサウンドを持っている人だから、彼とは是非一緒に音楽をやりたいと思っていた」(ダン)、「アルバムの中ではKentaをフィーチャーした曲が一番アグレッシブだと思う」(レオン)、「メタルのボーカリストと一緒に仕事をしたのはあれが初めてだった。あれは面白かった。とにかく怒りについて歌っている曲なんだ」(ダン)というメンバーの言葉を聞けば、サウンドの進化にあわせてKenta Koieとコラボしたことも必然だったと言える。

     
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