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GOODWARP 2nd One-man Live 『きみはまちびと』レポート

GOODWARPのライブはなぜ“フレンドリーさ”を感じる? JPOPとダンスが融合した2ndワンマン

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 GOODWARPが3月20日に行った2ndワンマンライブ『きみはまちびと』は、彼らが今後、メジャーシーンで大いに活躍することを期待させる充実した内容だった。

 開始10分前、会場の渋谷クアトロに入るとディスコDJ風のアナウンスが、訪れたファンへの感謝を告げている。芝居がかったその声は、リーダーの萩原“チャー”尚史(Ba)あらため“DJチャー”のものだ。それに気づいたオーディエンスからは笑いが起き、この日の方向性が早くも予感させられた。客層は女性7割、男性3割といったところか。日曜の夜、これから始まるパーティーに華やぐ雰囲気に、自然と期待も高まる。

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 オープニングSEが止み、揃いの柄物ジャケットに身を包んだメンバーが登場すると、大きな拍手が巻き起こる。以前に観たライブでは、たしか衣装は統一していなかったが、なるほどこうして並ぶと、彼らのコンセプトがより明確になったように思える。ドレスアップしたことで、ディスコカルチャーとの親和性もアップし、それぞれ異なるバックボーンを持ったメンバーが然るべきスタイルに落ち着いたように見えた。

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吉崎拓也(Vo/Gt)

 ボーカルギター・吉崎拓也のキャッチーで伸びやかな歌声によるアカペラから、挨拶もそこそこに一曲目「STARSIGNAL」が始まる。まず驚くのが、その出音の良さだ。ギター・藤田朋生のテレキャスターが刻むカッティングは、輪郭がくっきりとしていながらも艶やかに濡れたサウンドで、そのエモーショナルかつ煌びやかな旋律を強調している。ブルースをルーツに持つ藤田のプレイは、シンプルだが奥深く、確かなテクニックもある。それを支えるベース・萩原のプレイは安定感がありつつ、しっかりと自分のフレーズも主張しており、アンサンブルをより豊かにしている。飄々としたキャラクターが持ち味のドラム・有安祐二は、その性格とは裏腹(?)に、正確性の高いプレイでダンサブルなリズムを刻み続ける。音数を抑えた彼らのサウンドは、各パートの“間”が感じられ、それゆえ“踊りやすい”のだ。熟れた演奏に、オーディエンスが自然と揺れる。

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藤田朋生(Gt/Cho)

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萩原“チャー”尚史(Ba/Cho)

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有安祐二(Dr/Cho)

 しかし、彼らをストレートに“ディスコバンド”と呼ぶのは、少々違和感があるだろう。吉崎拓也のボーカルーー耳に残るメロディーラインに温もりのある言葉を乗せたスタイルは、その譜割や声質も含め、やはりJPOPとして洗練されたものだ。少し前にリアルサウンドに掲載された対談企画(参考:渡辺俊美×GOODWARPが語り合う、世代を超えた音楽観「心地よいダンスミュージックは“抜き”の世界」)で、渡辺俊美(TOKYO No.1 SOUL SET/猪苗代湖ズ)が彼らの音楽性を、「上手くミックスされてるなと感じました。「上手く」っていうのは、JPOPと、ダンスミュージックと、アンダーグラウンド的なもの、各自のルーツは分からなかったけれど、それぞれが聴いてきた音楽をちゃんと料理している」と評していたように、一言で“ディスコ”とは括れない幅広さと奥行きが感じられる。

 たとえば4曲目に披露した「TROPHY」。ミラーボールを囲んで歌い踊るMVに象徴されるように、この楽曲は明らかに80年代のディスコミュージックを意識したサウンドメイキングがなされているが、大サビが入る展開はとてもJPOP的で、歌心溢れるメロディーラインもまた親しみやすいものだ。歌モノが好きなリスナーにも“刺さる”楽曲であり、GOODWARPらしさがにじみ出た良作といえよう。一方、「My Girl」では優しく語りかけるようなボーカルに合わせ、抑制の効いた演奏を聴かせる。かと思えば、疾走感のある「直線距離」では、近年のフェスシーンを席巻した四つ打ちロックに、GOODWARPなりの回答を示している。次から次へと新たな側面を見せてくれるのが、とても楽しい。

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 ライブ中盤、会場が十分に温まったところで披露された盟友・EMPTY KRAFTとのコラボレーションも特筆すべきだろう。10曲目の新曲「レイニー白書」に合わせて登場したEMPTY KRAFTは、ダンサー×3、サックス×2という編成の異色パフォーマンス集団。ロッキングを軸としたダンスと、華やかなホーンサウンドで、GOODWARPの楽曲にさらなる“ディスコ”のエッセンスを注入する。彼らと一緒に、照れ笑いを浮かべながら踊る吉崎の姿は、なんとも微笑ましかった。そして、リーダー・萩原は期待を裏切らず、なんとEMPTY KRAFTの全メンバーとダンスバトルを繰り広げる。高速ステップやブレイクダンス(!)にまで挑戦する姿は、スキルはともかく、強めのバイブスを感じさせた。会場はもちろん爆笑だったが、なんだか勇気付けられたファンも多かったのではないか。

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 実際、続いて披露された「真夜中のダンス~恋する爪先~」では、会場の後ろの方から鑑賞していたオーディエンスも、みんな楽しそうに踊っていた。回転するミラーボールの光と、ロマンチックかつ都会的な楽曲がとてもマッチしていて、それは素晴らしくハッピーな光景だった。その後、吉崎はMCで「ダンスが苦手なひとも楽しんでください」と語ってから、「僕とどうぞ」を歌っていたが、この姿勢もまた、GOODWARPの良さのひとつだと感じた。口ずさみやすく、踊りやすい楽曲で、そこには様々な音楽的要素ーーディスコやファンク、ソウルなどーーが詰まってはいるのだけれど、決して押し付けない。このフレンドリーさが、彼らの音楽にはにじみ出ていて、だからこそ気取らずに楽しめるし、いつだって「来て良かった」と思わせてくれるのだ。

     
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