E-girlsがキャリアを重ねて得た“強み“とは? 音楽性の変化から読み解く

パフォーマンスの成長とともに訪れた「ディスコ・ファンク路線への回帰」

 先に挙げた『E.G. Anthem -WE ARE VENUS-』をリリースした2014年7月は、彼女たちが初めて単独ツアーを行なった時期であり、日本武道館公演を目前としたタイミングだった。このころから大きな会場を舞台に、単独公演の機会が増えたE-girlsは、よりレベルの高いパフォーマンスを追求するようになる。それぞれの母体となるグループ「Dream」「Happiness」「Flower」の活躍の場も増え、ライブでキュートに会場を駆け回りながら歌い踊るガールズポップ路線の楽曲とは別に、彼女たちの武器である「キレのあるダンス」を披露するにあたって、「E.G. Anthem -WE ARE VENUS-」の存在は不可欠だったといえる。実際に、武道館公演で初披露された同曲のパフォーマンスは圧巻の一言だった。

 14thシングル『Dance Dance Dance』は先述した「Celebration!」の系譜上にあるディスコ・ファンク路線の楽曲。そして『E.G. SMILE -E-girls BEST-』に収録された新曲「DANCE WITH ME NOW!」もまた、この路線を受け継いだものだ。これらの楽曲によって、E-girlsのダンスグループとしての側面がより強調された形となった。

 彼女たちの「ディスコ・ファンク路線への回帰」は、グループのオリジナリティを打ち出す強靭な武器となって、これからもE-girlsの音楽的な核になっていくのではないだろうか。また、これらの楽曲やカバーたちが、ファンを過去の名曲や洋楽に触れさせる入り口となることも期待したい。

(文=中村拓海)

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