城田寛治✕北村亮介が考える、WEFUNKの将来ビジョン「空間全体を楽しめる“ライブショー”に」

WEFUNKが作る「音楽✕ダンス」の魅力と未来

160123_we_2_shi.jpeg
WEFUNK代表・城田寛治氏

「ダンスの楽しみ方は“観る”だけではない」(城田寛治)

ーー新しいトライアルも多いと思いますが、WEFUNKのイベントを制作するうえで、いちばん大変だったことは何ですか?

城田:そうですね…。もちろん一概には言えないんですが、ダンサーはミュージシャンに比べて、ダンスイベント以外のエンタテインメントに若干疎いというイメージがあります。音楽イベント、ライブというのは音楽そのものだけではなく、空間全体を五感で楽しむものだと思うんですが、ダンスイベントのお客さんはフロアに“体操座り”した状態で見ていたりするんです。

ーーダンスをじっくり鑑賞する態勢ですね。

城田:そうですね。応援している出演ダンサーの名前を呼ぶなど大声を出してはくれる一方で、踊ったりせず直立したままダンスをガン見しているという。ステージに立っているミュージシャンからすると、少しやりづらいこともあって…。最近のWEFUNKではダンサーのお客さんもほぐれてきて、いっしょに盛り上がってくれるようになってきましたけどね。

ーー音楽のライブとダンスのイベントは、もともと文化圏が違ってますからね。

城田:音楽の楽しみ方が“聴く”だけではないのと同じで、ダンスの楽しみ方は“観る”だけではないので。そこは乗り越えていかないといけないと思っています。そのために必要なのはやはり「どういう目的で選曲して、ダンスを踊るのか」という意識ですよね。

北村:WEFUNKのイベントはダンスだけがメインでもなければ、歌だけがメインでもなくて。空間全体を楽しめる“ライブショーイベント”にすることが大事だと思います。

ーーこれまでのイベントで、オーディエンスから支持されているパフォーマンスはどんなものが多いんですか?

城田:これは自分のフィーリングでしかないのですが、WEFUNKでは一般的にわかりやすいものがウケている印象はありますね。コアなダンスイベントの場合はダンスのスキルが高いほど会場が湧くのですが、ぼくみたいなダンサーではない人間からすると、どこがすごいのかついていけず、寧ろ疎外感を感じてしまったりします。それに比べるとWEFUNKはダンサーでない人が見ても伝わる演出が盛り上がりやすいですね。

北村:難しいテクニックよりも、派手なバック転のほうがウケることもありますからね。

城田:逆に言うとWEFUNKは、技術を重視するような部分は担いきれないと思っていて。ダンスの裾野を広げて、より多くの人に楽しんでもらうことが自分たちの役割と思っています。

ーーWEFUNKに参加したダンサーは、ダンスの技術をエンターテインメントに結びつける意識が強くなっていくでしょうね。それが広がっていけば、ダンサーの活動範囲もさらに大きくなってくだろうし。

北村:ダンサーを職業として成り立たせるのは、すごく大変です。振付には著作権がないし、それをパッケージにして売ることもできない。つまり本番のステージを踏み、作った分しか稼げないんですよね。WEFUNKの名前がもっと知られて、イベントの規模が大きくなっていけば、ダンスの価値も上がっていくんじゃないかという期待もあります。

160123_we_2_i.jpeg

 

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる