亀田誠治といきものがかり、Bメロの重要性を解説 「風が吹いている」の曲構造も紐解く

Bメロにメロメロ

 番組中盤では、Aメロ→Bメロ→サビというJ-POPの基本構造がこの時代に確立されたと話した。“J-POP誕生”以前はBメロが少なかったとし、実際に1970〜79年のトップ10曲にBメロがある曲はわずか23%。対して、1988〜93年のトップ10曲にはBメロがある曲は90%にものぼると示した。例として槇原敬之の「どんなときも。」のBメロがないバージョンとあるバージョンを、いきものがかりの吉岡聖恵が歌唱し、「Bメロがあることでサビへの気持ちがぐっと高まる。切なくて温かい感じがあります」と吉岡はコメントしていた。「サビを輝かせるためにはBメロがないと、Bメロは司令塔みたいなものなので。サビが良くてもBメロがいいアシストをしないとダメ」といきものがかりの水野良樹は述べた。亀田は「Bメロの重要さに日本人が作り手も聴き手も気がついたんですね。作り手も聴き手もBメロにメロメロ!」と叫び、スタジオに笑いが起きた。

 また、番組後半では、いきものがかりの「風が吹いている」をピックアップし、J-POP誕生期からさらに進化した聴く人の心を掴む複合的な構造になっていると説明。Bメロに起承転結の“起承転”までの展開が含まれており、サビに入るところで“結”に達する構造になっていると紐解いた。さらに、同曲は頭がBメロから始まる珍しい曲だと亀田が述べると、作曲した水野は「オリンピックに関連する曲だったので大きな曲にしたいと思ってたんですね。僕らの曲は頭サビが多かったんですけど、それだけじゃ足りないなと思って、Bメロを頭に持ってきた」と話し、続けて「大サビもBメロに似たメロディーになっているので“大Bメロ”みたいな構造になっている」と述べ、講師の亀田も驚いていた。

 最後に、いきものがかりは「風が吹いている」を亀田を交え生演奏で披露。吉岡は番組の感想に「こんなにBメロの話したのは初めてだったので、歌い方とか捉え方とか変わっていきそうだな」とコメントしていた。亀田は「マイナーのメロディーだけじゃ明るさは表現出来ないけれども、メジャーのメロディーは明るさと切なさがブレンドされたせつなさを表現出来るわけ。つまり胸キュン時代が始まったということなわけ。J-POPならではの明るくせつない曲調が生まれ、今のJ-POPにも脈々と受け継がれているのではないでしょうか」と番組を締めた。

 “J-POP”の誕生とBメロの重要性について明かされた今回の放送。次回はGLAYをゲストに迎え、『J-POP大躍進〜インパクト合戦の時代〜』をオンエアする予定だ。

(文=向原康太)

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