NEWS加藤シゲアキ、“繊細な表現者”としての魅力 原作小説の連続ドラマ化を機に考える 

 その誕生秘話をまるごと語ってしまうこと自体、アイドルとしてはかなり際どい。親交の深い関ジャニ∞の丸山隆平が、かつて加藤を「発信型の根暗」と称したというエピソードがあるが、まさに言い得て妙である。ネガティブなことを誰も傷つけずに発信することは、とても難しいことだ。それができるのも、加藤にとって文章を書くということは、改めて何かを始めるというよりも、ふだんから頭の中で情報を整理している過程を形にとどめている、という作業に近いのではないだろうか。

 最近、ジャニーズの携帯公式サイトJohnny's webでも、『シゲアキのクラウド』という個人コーナーをスタートさせた加藤。過去の自分、日常の笑えること、読み手も一緒に考えさせられる真剣なこと……。日々の思いの丈を好きなように綴っており、まるで彼の脳内をのぞき見しているような感覚だ。アイドルで、こんなにもオープンに思考過程を発信している人はかつていただろうか。だが、彼はラジオにて、ドS口調でこう言い放った「俺が全部さらけ出してると思ったら大間違いだからな(笑)」。その不敵な笑みと底知れぬ創作意欲に、今後も期待せずにはいられない。

(文=佐藤結衣)

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