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“裏アカ”が示す人間関係の変化ーー小南泰葉、新曲「傷」MVで現代の若者の心情描く

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 今や、誰もがなんらかのSNSサイトを利用する時代。複数のサイトやアカウントを使い分けている人も多いことだろう。この動きは特にTwitterユーザーの間で盛んであり、たとえばごく親しい友人だけで共有したり趣味専用の別アカウントを持つなど、コミュニティごとに“別人格”を作り上げている例もある。中でも異色なのが「裏アカ(垢)」と呼ばれる、リアルの友人・知人と繋がることを目的としないアカウントの存在だ。

 あるデータによれば20代の約11%が、誰にも教えていないSNSアカウントを所持しているという。そこで何をつぶやいているかというと、ほとんどが友人や恋人の悪口や仕事へのグチ。そう、一見普通の恋人同士に見えても、“裏アカ”では相手を口汚く罵っているという歪んだ関係も増えてきているということ。

 シンガーソングライター・小南泰葉のニューアルバム『僕を救ってくれなかった君へ』に収録されている「傷」のMVは、まさにそんなカップルの姿を描いた衝撃作だ。

小南泰葉「傷」MV

 「傷」は、別れを迎える男女を描いた楽曲。伴奏ナシで歌いあげる小南の伸びやかな声に、静かにギターが合流し、サビで一気に轟音ロックへと転換する曲調が、恋が終わる際の激しい痛みを物語る。MVでは、楽曲のドラマチックな展開をストーリー仕立てで見せていく。

 まず描かれるのは幸せそうなカップルの日常。しかし、彼氏はSNS上に“裏アカ”を所持しており、少々エキセントリックな行動を見せる彼女を「ウザい」「キモイ」と密かにディスっている。そんな彼の行動を知ってか知らずか献身的に彼に尽くす彼女は、ある日のデートで手作りのお弁当を用意。SNSで“毒”を吐いた後、玉子焼きを一口食べた彼はゆっくり息絶える……。

 一見ごく普通の恋人同士に見えて、内心フクザツな思いを抱えているカップルというのは実は多いようで、SNS隆盛の昨今ではそれが、彼氏/彼女の知らない“裏アカ”を持つという現象に表れている。本来であれば自分の胸のうちに抱えているべき負の感情さえも、思いっきり吐き出せてしまうツールがあること。それによって歪んでいく男女の関係が、本作では象徴的に描かれる。

 出演しているのは「元カレ全員芸人あるある」という過激な暴露ネタで話題のお笑い芸人「ロリィタ族。」。「押し殺してほしかった」「傷つけてほしかった」という小南の悲痛なシャウトが響く中で、恋人にひたすら天真爛漫な笑顔を向ける姿は狂気さえ感じさせる。

     
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