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星野源の新作『YELLOW DANCER』が心と体に響くワケーー収録曲の音楽的アプローチから分析

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 今年8月に日本武道館で単独の弾き語りライブ『星野源のひとりエッジ in 武道館』(2days)を成功させ、ドラマ『コウノドリ』(TBS系/主演・綾野剛)で冷徹な産婦人科医を好演。サブカル女子のアイドルというイメージを超え、いまや日本のエンターテインメントを代表する存在となった星野源から待望のニューアルバムが届けられた。オリコンアルバムチャート2位を記録した前作『Stranger』以来、約2年7カ月振りとなる本作のタイトルは『YELLOW DANCER』。シングル「SUN」「地獄でなぜ悪い」「Crazy Crazy」「桜の森」などを含む本作のテーマはずばり“ブラックミュージックのグルーヴと日本的情緒に溢れた歌の融合”だ。

 幼少の頃からブラックミュージックが好きで(星野のマイケル・ジャクソン好きは有名)、SAKEROCKの時代からファンク、ソウル、ジャズ、R&Bなどを巧みに取り入れてきた星野。ソロになってからも主にシングルのカップリング曲(「もしも」「季節」など)でブラックな音楽と日本語の歌の融合を試みてきて彼だが、その傾向がさらに強まったのがシングル「桜の森」以降。特にファンクのテイストが前面に押し出された「SUN」は、アルバム『YELLOW DANCER』のコンセプトを決定づけたと言っていい。

 全編に渡りファンク・ミュージックのエッセンスが注がれた「SUN」は、しかし、楽曲の構造としては完全に歌謡曲のスタイル(イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、間奏、Dメロ、転調を挟んでの大サビ)に則っている。そう、この曲によって星野は、思い切りベタな歌謡曲の形を踏襲しつつ、楽曲の雰囲気はあくまでもダンスミュージックとして成立させる“落としどころ”を発見したのだろう。また、ここ1〜2年の音楽シーンの動向もこのアルバムの方向性を後押ししていると思う。ダフト・パンクの「Get Lucky」(2013年)からマーク・ロンソンの「Uptown Funk ft.Bruno Mars」(2015年)に至るまで、世界の音楽の潮流は明らかにオーセンティックなファンク、ソウルの再解釈へと移っている。70~80年代のブラック音楽が再びポップミュージックの真ん中に戻ってきたことを受け、星野自身の音楽的趣向とシーンの流れが絶妙のタイミングで合致させた結果が本作『YELLOW DANCER』というわけだ。

 アルバムに収録された新曲をいくつか紹介しつつ、『YELLOW DANCER』の魅力をさらに掘り下げてみたい。

     
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