SMAP・香取慎吾はなぜ“キャラと素”の区別がないのか テレビ出演歴から人間的魅力を探る

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(C)タナカケンイチ

 来年2016年1月からのTBSドラマ『家族ノカタチ(仮)』に主演することが明らかになるなど、相変わらずソロとしても活躍を続けるSMAP・香取慎吾。今回は、その魅力に私なりに迫ってみたい。

 SMAPが総合司会を務めた2014年の『FNS27時間テレビ」は、記憶に残る場面が多かった。そのなかで今でも時々思い出すのが、香取と中居正広が交わした“チャック談義”である。

 事の発端は『FNS27時間テレビ』のなかでの『ワイドナショー』特別版だった。そこに出演したSMAPに対し、それまで解散危機はあったのかという質問が発せられた。まともに答えることを避けようとする他のメンバーに対し、そのとき香取が「今まで何回かあったじゃん」と発言し、場がざわついた。

 “チャック談義”があったのは、その後の同じく「【未定】企画」でのメンバー5人によるフリートーク中のことである。中居が「解散の話とかあんますんなよ、あれマジで」「なんなのあの話、どこまでチャック開けるってそれぞれあると思いますけど、あそこのチャックを開けるつもりは俺はない」「あのさ、やっぱ開けてはいけないチャックってさ、あるじゃん」とチャックの例えで話題を『ワイドナショー』でのことに向けた。そしてしばしやり取りがあった後、香取はこう返した。「チャックとか考えた事ないかな。チャックとかって良くわからないし。別にチャックがあってそれで隠してるとか、開けられるとかそういうんじゃないから」

 「チャックのない人」。キャラと素というよくある言い方を当てはめれば、香取にはキャラと素の区別がない、そういうことになる。中居や他のメンバーがキャラと素の使い分けがあることを前提に話をしていたのに比べ、香取だけは少し違っているように見えたのが私にはとても印象的だった。

 もちろんこれもテレビカメラの前のやりとりなので、すべて額面通りに受け取れるかはわからない。だが実際、香取はこれまでもそういうニュアンスの発言をしてきた。例えば、映画監督の阪本順治が、あらゆる種類の仕事に追われる香取に「自分を商品のように感じることはない?」と尋ねてみた。すると香取は、「愛される商品ならいいんじゃないですか?」と答えたという(『THE SMAP MAGAZINE』)。自分は「商品」だと言い切れる人間が、他にどれほどいるだろうか。

 1988年のSMAP結成当時、まだ11歳だった香取のこれまでのキャリアを振り返ってみると、確かにこなしてきた仕事の幅の広さに驚かされる。

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