MACOが『FIRST KISS』で挑んだ多彩な音楽「『ラブソングといったらMACO』と言われるようになりたい」

MACOが挑んだ多彩な音楽性

「tofubeatsと一緒に楽曲を歌って、ディスコっていいなと思っていた」

MACO「LOVE」

―全体を聴かせていただいて、かなり華やかでバラエティに富んだ印象を受けました。これまでの作品からの大きな変化としてMUSOHさんによるトラックが多くなっていて、それがアルバムの印象を変えた要因の一つだと思うのですが。

MACO:「LOVE」がヒットしたのは、私になかったものを見つけて引き出してくださったMUSOHさんのおかげというか。リスナーの方に「MACOと言ったらこういうハッピーなラブソングだよね」と言っていただけるようになったのもMUSOHさんの楽曲があったからで。今回アルバムを作るにあたって、このタッグが一番しっくりきていると感じました。MACOが挑戦したことのないような楽曲もあったりして、自分でも楽しく歌える曲がたくさん作れました。「Kiss」もそうですしね。聴いた瞬間にこれで作りたいって思えるのがMUSOHさんの楽曲なんですよね。自分にしっくりくるというか。

―MACOさんの楽曲を支えている方として、ライブではギターでもご活躍されている山口隆志さんがいらっしゃいます。

MACO:ぐっさん(山口隆志)は、『LOVE』のカップリング「春の風」という曲のような、MUSOHさんとはまた違った生のギターの音で温かみのある楽曲を作っていただいています。MACOが持っていなかった色を、MUSOHさんだけでなく、ぐっさんも引き出してくれるんです。ベタだったものにここをこうしたらもっと良くなるよ、とアドバイスをいただいたりして。一緒にスタジオに入ることも多かったです。収録曲でぐっさんに書いていただいた「マフラー」「告白」、これもまたいい感じのラブソングになっています。ギターの音色が綺麗なので、温かい曲に仕上がりました。

―MUSOHさんとの楽曲を中心に、山口さんのあたたかみのあるエッセンスも入りつつ、他の作曲家の方のアレンジ曲も散りばめられて。

MACO:そうですね。海外作家に手がけていただいた楽曲もありますし。

―聴くと今までと違う表情がたくさん見えるアルバムですね。

MACO:ありがとうございます。よかったです。初めはこんな曲、MACOに歌えるのかな? と思うような曲もあったんですけど、どこか聴いていて全部MACOらしいなと思います。流行のサウンドに乗せていないというか。土台としているものが80年代の楽曲だったりして、6曲目の「アタシノスキナヒト」は昔のR&Bというか。R&Bは『22』のアルバムの時からやっているんですよね。MACOらしい……みなさんからしたら、バラードとかそうなんですかね。自分では全部MACOらしい楽曲だと思っています。でも多分、9曲目の「We Gonna Be Happy」だけは聴いたらみんなびっくりするかもしれません。

―ちょっと80’sっぽいサウンドの曲ですよね。シンディー・ローパーを意識したというのをお聞きしています。

MACO:はい、こういうのを作ってみたかったんですよ。ちょっとディスコっぽいような。トーフくん(tofubeats)と一緒に楽曲を歌ったことがあって、そのときにディスコっていいなと思っていて。この曲でMACOらしさに加えて、ポップなイメージが出せたと思います。

―前半はMACOさんのこれまでの楽曲イメージともいえるシングル曲から始まり、少しずつ新たな一面を覗かせる曲順ですよね。

MACO:確かに。11曲目とか。

―「君の背中に」ですね。すごく好きです。

MACO:ありがとうございます。これもちょっとイントロを聴くと意外かもしれないんですけど、私の声とメロが入ることで、懐かしいというか、ちょっとレトロなテイストが出ていると思います。『22』の時にあった、どこか懐かしいようなR&Bサウンドを今回も取り入れました。それも「MACOっぽいね」とみなさんに言ってもらえたらいいなと思って。

―そういう曲が良いエッセンスになっていて、楽しい流れでしたね。アルバムを通して聴くと、ライブが見たくなるような、ひとつのショーを見ている気分になりました。

MACO:私もそうなんですよ。自分が歌ってる姿を想像して、ちょっとニヤニヤしちゃって。でも私、緊張しいなので、12月12日のワンマンライブまでにたくさん練習を積んで、いいものを見せたいと思っています。そのためには、ステージ上以外でも自分をコントロールしなければならないので、この日に照準を合わせて整えていきたいです。

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