Sexy Zoneが冠番組を持たない理由とは? グループの特性から読み解く

 また、メンバー個々でバラエティに出演する際は、それぞれがキャラクターを模索し、“素”をさらけ出す方向へ舵を切っているという。

「Sexy Zoneは、ソロ活動で各自がバラエティ向きの姿勢を模索していった結果、中島健人は“ラブホリ先輩”という王子様感の自己パロディのようなキャラクターを獲得し、マリウス葉は実家のセレブなエピソードや天然なキャラクターで笑いを取るなど、自分たちの素を多少は出すようになりました。これらは現在のテレビバラエティで成功するための、一つの必然的な方針転換ともいえるものでしょう」

 これらの特性やバラエティ番組の歴史を踏まえ、太田氏は最後にこう提案する。

「Sexy Zoneに関しては、作りこんだタイプのバラエティをやるのもひとつの手ではないかと思います。例えば、1975年から放送されていた『カックラキン大放送!!』は、郷ひろみ・西城秀樹・野口五郎という新御三家を起用し、彼らが歌のコーナー以外に、坂上二郎や研ナオコとともに素の部分を出さない作りこまれたコントをすることで、人気番組になりました。現在では『SMAP×SMAP』のコント部分にも同じことがいえるでしょう。あくまで王子様グループとしての路線は堅持しつつ、バラエティでの存在感を増そうと考えるのであれば、このような形をとるのが、新規ファンを獲得し、人気をより堅実なものにするうえでも良いのかもしれません」

 ジャニーズに新たな価値観を持ち込もうとしているSexy Zone。彼らの手によって、SMAP以降のジャニーズバラエティ路線に変化が訪れるのだろうか。引き続きその経過を見守りたい。

(文=宮澤紀)

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