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2010年前後メジャーデビュー組の今ーーTHE BAWDIESのニューシングルを基点に考える

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活動休止
石角友香
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 2010年前後にメジャーデビューしたバンドの動静が改めて気になる……その発端はTHE BAWDIESが10月28日リリースのニューシングル「SUNSHINE」表題曲に長岡亮介をプロデューサーに迎えたというニュースだった。そもそもメジャー通算10枚目のシングル・リリースというのは、ライブを主戦場に活動するバンドとしては多い部類なのだろうか。

 例えば彼らと数多く対バンしている9mm Parabellum Bulletは最新のクアトロA面シングル「反逆のマーチ/ダークホース/誰も知らない/Made Pierrot」で7枚目、インディーズ時代のイベント「KINGS」も含め、同時代を歩み、この11月3日にさいたまスーパーアリーナで開催する「the telephones Presents “Last Party〜We are DISCO!!!〜”」で活動休止するthe telephonesは「Keep Your DISCO!!!/Ring a Bell」と「Don’t Stop The Move,Keep On Dancing!!!」(ともに13年)の2枚のみ。同時代を歩んできたバンドでシングルを10枚以上リリースしているのはサカナクション(最新シングル「新宝島」は11枚目)ぐらい。もちろん活動や音楽スタイルの違いに起因するのだが、THE BAWDIESというバンドのシングルに対するニーズの高さは窺い知れる。

 で、高いがゆえに10枚目のシングルにプロデューサーを迎えたことになにがしか転機の予感がしたというわけだ。しかも長岡亮介と言えば今や元・東京事変の浮雲(椎名林檎のサポートは継続)というより、自身のバンド、ペトロールズに対する評価の高まり、星野源の音源やバンド・メンバーとしての認知が高まり、アメリカン・ミュージック全般にルーツを持ちつつ、「長岡亮介のセンス」としか言いようのない絶妙に聴き手を脱臼させる、あの「抜きの美学」がちょうど浸透してきた頃合…ちなみに「ギターマガジン9月号」表紙巻頭にも驚いたが、その男性ファッション誌と見まごうビジュアルで表紙を二度見したのは私だけじゃなかろう。

 実際に音源を聴く前にどんな曲とサウンドに仕上がってるのか、妄想するのが楽しい時間を久々に過ごして、いざ肝心の「SUNSHINE」を聴くと……アコースティックスタイルともバスキングとも違う、でも基本、ハンドクラッップと足踏みでリズムをとりながら歌うROYのもとにギターやスネアを抱えたメンバー、そしてアコーディオンやペダルスティールのプレーヤーとコーラスの男女が自然と集まってきた休日の午後……みたいな素晴らしくナチュラルで光に包まれるようなサウンドとアレンジがそこにはあったのだ。メンバー以外の楽器が追加されているというインフォメーションから想像しがちなサウンドとは真逆な、音も圧も抜きまくったこの仕上がりは、しかしオールドタイミーではない。ルーツにカントリーやブルーグラスを持つ長岡も、激レアで古いR&Rやソウルを聴き倒し、ディグり続けるTHE BAWDIESも、現在の積載量過多な一般的なポップミュージックからすればむしろラジカルなぐらい、現行の海外インディーに匹敵するぐらい研ぎ澄ましたサウンドをともに生み出した。それでいて実際の聴感はリラクシン!の極地で、何十年もサヴァイブしてきた名曲にも負けない心地よさにあふれているのだから、このタッグは大成功と言えるだろう。

 加えて「SUNSHINE」と同日の10月28日には彼らが楽曲提供した八代亜紀、初のブルースアルバム「哀歌-aiuta-」もリリースされる。そのナンバー「Give You What You Want」はTHE BAWDIESがプレイしても違和感ナシなブギー調のアップテンポな1曲。この曲のミュージックビデオも公開され、アルバムのリードトラック的な扱いを受けているように見受けられる(オーセンティックかつキャッチーなせいかも?)。八代自身、前回のジャズアルバムはもとより、くるり主宰の今年の「京都音楽博覧会」に出演するなど、新たなアプローチを行っているのは周知の事実。両者のコラボレーションも驚きはあるが必然も感じられる。

     
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