BONNIE PINK、20年のキャリアと新たな始まり アニバーサリーライブをレポート

BONNIE PINK、20周年ライブレポ

 BONNIE PINKが、デビュー記念日の9月21日(月・祝)にデビュー20周年アニバーサリーイヤーの幕開けとしてのライブ『BONNIE PINK 20th Anniversary Live “Glorious Kitchen“』を渋谷公会堂にて開催した。

 会場にはオープニングSEと共にステージ上にあるスクリーンに20周年の「20」から「19」「18」……とカウントダウンが始まる。カウントが「0」に近づくと、ステージには“PINK”のドレスを纏ったBONNIE PINKとバンドメンバーが登場。記念すべき20周年のライブのオープニングを華々しく飾ったのは「So Wonderful」だ。BONNIE PINKはアコースティックギターを弾き、突き抜ける様な歌声が会場に開放的な空間を作っていく。「こんばんは! BONNIE PINKです! ついに始まりました! 盛り上がって行こう!」と会場のファンに告げると、ギターをタンバリンに持ち替え「Bad Bad Boy」へ。歌詞がスクリーンに映し出されるユニークな演出もあるこの曲は、BONNIE PINKが従える同ライブのバンド、鈴木正人(Ba.)、奥野真哉(key.)、八橋義幸(Gt.)、白根賢一(Dr.)をメンバーとした「Bad Bad Boys」のモチーフとなっている曲でもある。

 最初のMCでBONNIE PINKは「(デビューして)20歳になりました。この日ぐらいはいいかなと思って全身ピンクにしてきました。今日はいろんな曲を用意してきたので、知ってる人は楽しんで、知らない人は知ってるふりをして(笑)いっぱい楽しんでもらえたらと思います」と話すと会場は期待に満ちた歓声が上がった。続けて、シングル曲「カイト」を披露し、「5 More Minutes」ではサビの歌詞で会場にマイクを向けて一体感を作り出した。

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BONNIE PINK

 「20年活動しているといろんな時代の曲があって、3年間赤毛の時代があったんですが、そんな時代の曲を」と言って始まったのは、「かなわないこと」を皮切りとした「It’s Gonna Rain!」「Silence」「犬と月」のメドレーだ。彼女が赤毛のビジュアルで1997年に世に送ったセカンドアルバム『Heaven's Kitchen』にその多くが収められているが、滅多にライブで披露されることはなく、とても貴重なセットリストだ。

 「懐かしいね。いろんな曲があったな。プロデューサーのトーレ・ヨハンソンはスウェーデンにスタジオがあって。(プロデューサーとの関係は)必ずしも仲良し子良しじゃなくて、冷戦時代もあったりしてね。スウェーデンの景色が蘇るーー次の曲もそんな曲です」そう言って始まったのは赤毛時代の名曲「金魚」だ。トーレ・ヨハンソンをプロデューサーに迎えた曲たちは、ローファイかつエッジの効いたサウンド構成という特色を持つ。特に「金魚」は顕著にそれが現れていると言えるだろう。スクリーンには“金魚”が泳ぐ幻想的な映像が色濃く映える。ロックバンドとも思える激しいバンドサウンドから、一音のギターノイズが会場に暫く鳴り響くと、赤毛時代の代表曲と言える「Heaven's Kitchen」へ。“赤毛時代”という一つの物語の完結を見た会場のファンからは惜しみない拍手が贈られた。

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