ポルノグラフィティ、新作のチャートアクションに見る“清々しい大衆性”とは?

 初登場作品が8枚もランクインしている今週のアルバムチャートだが、首位は再び返り咲きでドリカム。とにかく、ひたすら、強いです。翻って8位と9位にはAqua Timezのベストが2枚入っているが、それぞれ7,000枚程度のセールス。10周年だからベストというのは結構だが、やっぱりベスト盤は一枚にするのがいいのではないだろうか。それがドリカムのように3枚組50曲というボリュームであっても、ひとつの渾身のパッケージこそを「ベスト」と呼びたいのだ。

 ちなみに今週は10位圏内の8枚が新着作品だが、前週から残っているのはドリカム以外でポルノグラフィティのみ。先週1位だった新作『RHINOCEROS』は、今週のセールスと合わせれば5万枚を突破したことになる。この数字で「国民的人気」と言うのは乱暴だが、今のヒットの基準を考えれば十分に「大健闘」。この感じがとてもポルノらしいと思う。

 サザンやドリカムやミスチルほどの人気や認知度はない。だけど毎年それなりのヒットが続いている。安定しているのに17年目の現在も“余裕”という言葉が似合わない。たとえば、ゆずほど“善良”なイメージも、B'zほど“ロック”なイメージも未だになく、岡野昭仁と新藤晴一は、ポップスという広い世界で「なんだかずっと健闘している」二人という感じがする。

 かつて近田春夫氏が「ポルノグラフィティをテレビで見ると、歌のうまい中居くん、というふうに思ってしまう」と書いていて、思わず膝を打ったことがある。ファンに怒られるかもしれないが(…どっちの?)、私もそう思う。顔というより雰囲気が近いのだ。

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