長澤知之と小山田壮平の「AL」は新しいロックンロールを鳴らしたーー4人編成初のライブをレポート

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写真=杉田真

 幸運にもその場に居合わせることができた者として、一つはっきりと言っておかなくてはいけないことがある。このメンバー編成を見て、「andymoriもロックンロール・バンドだったし、その第1期メンバー3人が演奏してるんだから、そりゃあロックンロール・バンドになるのは当然じゃないか」と思う人もいるだろう。しかし、記憶を辿って第1期andymoriの演奏を思い出してみても、この日のALの演奏は明らかにそれとは異なるものだった。初期衝動的に駆け抜けていって、時々つまづいて、再び走り出していく、あのandymoriのロックンロールではなく、ALのロックンロールにはリズムのタメがあって、ギターのアンサンブルと声のハモりがあって、時にはウォール・オブ・サウンド的なノイズまで飛び出す。andymoriとはまったく種類の異なる、カタルシスに満ちた豊潤なロックンロールが鳴っていた。ちなみに、第1期andymoriではひたすら前のめりに先走っていく後藤のドラムがチャームポイントであったが、今のところALの「前のめり」担当は長澤のギタープレイだ。バンドサウンドの快楽にまかせて、時に走りすぎる長澤のギターには、ずっとソロで活動をしてきた彼が、初めて同世代のパーマネントなバンド仲間を得たことからくる歓喜が満ち溢れていた。

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写真=杉田真

 この日はバンドの新しい(というか初の)公式ロゴがあしらわれたTシャツも物販ブースに並び、翌日には公式ウェブサイトも開設された。今後のリリースやライブの情報は、そのサイトで発表されるという。今年に入ってから、その「本気度」について多くのファンをヤキモキさせていたALだが、この夏、遂に本格的に動き始めた。間違いなく、彼らは本気だ。

■宇野維正
音楽・映画ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」主筆。「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」「ワールドサッカーダイジェスト」ほかで批評/コラム/対談を連載中。今冬、新潮新書より初の単著を上梓予定。Twitter

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ALロゴバッジ。

AL公式ウェブサイト:http://www.al-revivalrecords.com/

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■AL@新代田FEVER(2015年7月30日)
セットリスト

1. ショートナイト
2. ワレモノ
3. 風のない明日
4. さよならジージョ
5. ランタナ
6. 心の中の色紙
7. MT ABURA BLUES
8. 北極大陸
9. 15の夏
10. メアリージェーン
11. シャッター
12. Happy Birthday
13. 花束

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