嵐、二宮和也の“息子力”やいかに? 映画『母と暮せば』の役どころを読む

 こうして二宮の息子役を振り返ると、時には寡黙でその心情が見えずらく、時には面倒を起こして家族をトラブルに巻き込むが、しかし最後には強い家族愛で一家に調和をもたらしている印象が強い。それは、嵐における二宮の立ち位置にも通じるところがあるように思える。悪戯好きで、なにを考えているのかが掴みにくいところもあるが、実はグループ愛が深いのは、多くのファンの知るところだろう。少し天の邪鬼な性格は、たしかに息子役には適しているのかもしれない。

 そんな二宮だが、今作『母と暮せば』では素直に母や恋人への愛情を演じ切っているようだ。寝ている伸子に浩二が話しかけるシーンでは、吉永は「ニノの声が心地良くて、本当に寝ちゃった」というエピソードも明かしている。30代となり、より人間的に円熟した魅力を漂わせてきた二宮は、どんな風に息子役を演じるのか。映画の公開を楽しみに待ちたい。

(文=松下博夫)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる