乃木坂46映画公開記念:運営・今野義雄氏と学生有志が激論 鳥居坂46についての言及も

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 『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』の公開を記念して、『有名大学乃木坂46同好会×乃木坂46運営委員会委員長 今野義雄 討論会』が7月3日にアキバシアターで行われ、乃木坂46同好会の学生8名が、公開に先駆けて同作を鑑賞、今野氏に感想とそれぞれの見解をぶつけた。当日は、『月刊MdN』の編集長・本信光理氏をMCに迎え、活発な議論が行われた。

 今回の記事では、同好会メンバーが映画を観た感想から、実際に思いついた小論文のテーマ、それに対する今野氏の反応をレポート形式で紹介するほか、同氏と本信氏によるメンバーのパーソナリティについての言及を掲載。さらに今野氏が初めて鳥居坂46に言及した同好会メンバーとのやり取りについても、詳細をお伝えする。

同好会メンバーによる映画の感想・小論文レポート

 冒頭、今野氏は今回のイベント開催意図について「私たちが乃木坂46を運営していて常に考えていることの1つに、メンバーと同じ世代の方々に支持されるチームにしたいということがあります」と語ると、続けて「彼女たちは皆さんより一歩早く社会に出て、壁にぶつかってそれを乗り越えようと頑張っていますが、皆さんもいずれ社会に出れば、その荒波に揉まれていくと思います。ですが、彼女たちの頑張りを知っているからこそ、壁にぶつかった時は彼女たちのことを思い出して頑張って貰えたら嬉しいです」とコメント。

 映画の感想については、登壇者が学生ということもあり、「乃木坂46に入る前は自分の意見を言えなかった子が、グループに入ることにより、前向きな性格になったのを感じた」や「橋本奈々未さんが『北海道から出るために、東京にしかない美術大学を受けた』ということに、同じ上京組として共感した」など、同世代の少女たちが世間の荒波に揉まれながら、過去の自分を“変えよう”とする様子に心打たれたものも多いようだった。本信氏も「この映画はあまり生々しくならない様に編集していると思うのですが、生駒さんがセンターから外された直後のシーンを見て『アイドルはなんて残酷なんだろう』と思いました。それが映画化されてエンターテイメントになるというのは、普通の人生を送っている人だったら精神的に参ってしまいそうです」と冷静に見解を述べた。

 また、学生からは「過呼吸でメンバーが倒れてしまうシーンが入っているAKB48のドキュメンタリー映画と比べると、少し身近な出来事に思えた」という意見が飛び出すと、今野氏は「この年代の女の子たちが集団で行動すると、衝突したり、過呼吸になってしまう子がいたりなど、舞台裏では(AKB48のドキュメンタリーと)同じ様なことは起こっていました。ただ、この映画では過去の出来事の記録以上に、それぞれのメンバーが何を背負っていたのかを描きたかったし、そこを観てほしかった」と、他グループが公開してきたドキュメンタリーとの差別化について語っていた。

 小論文のテーマについては、上智大学・岸上が発表した「人は悲しみを忘れられないのではないか」や早稲田大学・輿水の「捨てる勇気」といった映画に直接的に関係のあるものや、大塚家具の騒動を題材にした東京大学・林田の「身内争いから学ぶ、乃木坂46」など、トリッキーなものも飛び出した。なかでも、ユニークだったのは早稲田大学・花井が乃木坂46と同じく大ファンだという松岡修造氏が説いた“イワナを見てみろよ、イワナに余計な味付けはいらないんだよ。”という言葉に着想を得たという「乃木坂46と松岡修造の相似性」。花井が「メンバーもアイドルらしからぬ心の闇を抱えていたことに気づかされ驚きましたが、それが乃木坂46らしくもあり、自分と似ているところもあってもっと好きになりました。ありのままの姿でいることが大切なのではないか?」と持論を展開すると、今野氏は「この映画は観る人によっては、ネガティブな印象を与えかねないとすごく心配していたのですが、いま彼女が親近感を抱いてくださったという意見を聞いて安心した」と大学生ならではのおおらかな感性に感心する一幕も。しかし、いずれも設定の意図をヒアリングしていくと、メンバーの心や環境の変化、アイドルという職業への理解などを読み解こうとする姿勢は随所に垣間見られていた。

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