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市川哲史の「すべての音楽はリスナーのもの」第12回

ポール1年半ぶり日本ツアーへの期待と不安 市川哲史が歴代来日公演を振り返る

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市川哲史
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『ぴあSpecial Issue ポール・マッカートニー来日記念号2015』

 ポール・マッカートニー1年半振りの日本公演ツアーが始まった。

 超スペシャルな@日本武道館はともかく、東京ドーム×3と京セラドーム大阪はちゃんと完売したのだろうか。FMやらバナー広告やらがいつまでも「絶賛発売中」だっただけに、客の入り具合がちょっと気になる。

 あらー、当日券も出てるのか。

 前回、2013年11月の来日公演はなんかもう感動しすぎなくらい、日本中が盛り上がっていた。4回目の来日だけど11年ぶりだし、当時継続中だったワールドツアーの評判も極めてよかった。そしてライヴ初披露のビートルズ・ナンバーが目白押しだし、ポールのミュージシャン的経年劣化もほぼ皆無とくれば、そりゃたまらない。

 それよりも何よりも1942年生まれの71歳だ。誰もが「これが最期かも」と胸の奥でそっと覚悟してたのだから、もう観るしかない。チケットは争奪戦となり、東京・大阪・福岡のドーム計6公演は<大人のワンダーランド>と化した。

 私は大阪で観た。福岡と東京の会場は最初から@ドームで発表されていたものの、大阪だけチケット発売直前まで会場未定のままだったため、「もしかしたら大阪城ホールかも」と邪推する大きなおともだちたちと、わざわざ大阪をチョイスしたのであった。

 ……素人か俺は。

 個人的にはビートルズよりウイングスの楽曲をもっと聴きたかったが、贅沢は敵だ。

 それでも見事なベースさばきと若い頃より明らかに上手いヴォーカルに、<ポール・マッカートニー>をとことん堪能できた至福のライヴだった。

 あれ? 何だろうこの新鮮な感動。

 二度の来日公演中止を経てようやく実現したポール初来日ライヴ@東京ドームだって、私は1990年当時ちゃんと観たはずなのに。それどころかまったく記憶に残ってないぞ。翌91年暮れの、ジョージ・ハリスン17年ぶりにして生前最期のライヴ@東京ドームの景色の方が、はるかに鮮明に蘇る。そりゃ当たり前か。

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