福山雅治、サザンらの接戦に見る音楽チャートの醍醐味とは? 前週との比較から考察

 話が長くなったが、今週のチャート。

 サザン『葡萄』は今週も68,716枚と売れ続けており、まぁ50万枚は軽く行く勢い。その周囲に注目すると、1位は福山雅治のアコースティック弾き語りカバー・アルバム、3位がmiwaの『ONENESS』、4位が浜崎あゆみ『A ONE』だ。福山とサザンは事務所も同じなのでリリース週をズラすのが当然なのだけど、あゆの場合は「もう1位とかこだわらなくていいから、いい作品を」というアルバムだろうし、miwaなら「あゆが相手でも……今なら頑張れちゃうかな!」というアルバムになっていると思う。勢いがあり幅が広がってきている若手もいいし、続けてきたがゆえに説得力が深まるベテランもいい。やっぱり、「誰だよ!」とツッコむばかりじゃ面白くない。栄枯衰勢のなかでアーティスト同士の接戦があるからチャートは楽しいのだ。先週のあとだから、よけいにそう思うのであった。

■石井恵梨子
1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。

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