Awesome City Club×髭×吉田ヨウヘイgroupが語る、気持ちのよい音楽の作り方「3組とも少しハズしているところがある」

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須藤寿(髭)。

「中途半端な意志だったら、みんなから影響されて歌詞を書くほうが面白くできる」(須藤)

――3組がそれぞれバンド活動において苦労しているポイントは?

マツザカ:人数が多いので、どこで練習するか。どこに機材を置くかというのは苦労しますね。

吉田:多人数バンドで気になることがあって、僕は一時期、2〜3カ月だけツインドラムのバンドをやっていたことがあったんですが、「髭は練習でドラム二つどうやって用意してるんだろう?(音の)比率はどうしているんだろう?」という話をよくしていました。

マツザカ:僕もどっちがメインを務めるかの割り振りはどうしているか気になっていました。髭はどういう風にしているんですか?

須藤:うちはね、トリッキーなことを言いたいわけじゃないけど「ドラムが不在」って気もしていて。叩きたいやつがいないし、みんな良いやつだからダチョウ倶楽部みたいに「どうぞ、どうぞ」って譲り合っちゃって。だから、今サポートしてくれてる佐藤謙介(踊ってばかりの国)が、髭にとって初めての「ドラムを叩きたがってる」ドラマーじゃないかな。本当にすごく真面目にやってくれるし、「ドラマーってこういうことなんだ」って見ていて思うもん。

マツザカ:いま須藤さんが言った「どうぞ、どうぞ」みたいなのは大事な気がしていて、「俺ギターだからここでガーンとやらないと嫌だ」とか言われると、人数が多いほどごちゃごちゃになってしまう。「この曲ではあえて前に出ずに、逆にこうしたほうが面白いかもね」という距離感みたいなものを提案できると良いのかもしれません。楽器の種類や人が多いなかで、職人気質を突き通すと、マッチしない瞬間が出てきそうですね。

吉田:バランスって、やっているうちにおのずと「これしかない」というものが決まってくるので、調整したり、遠慮したりというよりは、仲良くなったり、気心知れてくるなかで「こんな感じ?」というようになってくる。Awesome City Clubとか髭もそうだと思うんですけど、僕らって基本的にはギターロックのバンドであって、その要素にプラスしてAwesomeならシンセ、僕らなら菅楽器が入ってくるというバランスになっている。Awesome City Clubの新作も、聴いていてシンセが立っているけど、後ろで鳴っているギターがすごく良かったりとか、バンドとしての聴こえ方は違うけど作り方は同じだろうなって思ってました。

マツザカ:ギタリストが目立っているけど、前面に出ているわけではないというのが大事なのかも。自分の好きなバンドって、ギタリストのマインド次第でバランスが変わるようなものが多くて、押し引きが上手なものが多い。うちのギター(モリシー)は、「俺はギタリストとしてああしたいんだ」と言うのではなく、ひとりの編曲家、作曲家としてギターを弾いているイメージです。

吉田:でも、コードはあまり弾かずに、ギターオタクじゃないと弾かないようなフレージングで単音を駆使して音を埋めている。ここは聴いてすぐわかりましたし、うちのギター(西田修大)もそういう感じだから、結構近いんだなと親近感が沸きました。

須藤:うちは、俺が曲を完成させて持っていかなくて、アイデアの種を見せて、みんなで煮詰めていく。髭って僕が作詞・作曲、メインコンポージングの印象が強いですけど、メンバーにインスパイアされながら作っている感じなんですよ。で、うまく揃ったものにやっと歌詞をつける。歌詞はべつに書いていっても良いんですけど、なんかそれだとジメジメしたものになっちゃうんですよね。そんな中途半端な意志だったら、みんなから影響されて歌詞を書くほうが面白くできる。

(後編へ続く)

(取材・文=中村拓海/写真=竹内洋平)

■イベント情報
『Awesome Talks -vol.1-』
日時:4月3日(金)OPEN/START 18:15/19:00
場所:shibuya WWW
出演:Awesome City Club / 吉田ヨウヘイgroup / 髭
GUEST DJ:木下理樹
チケット料金:前売3,000円/当日3,500円(各税込、Drink代別)
お問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

チケットはこちら→http://acc-at1.peatix.com/

■リリース情報
『Awesome City Tracks』
発売:2015年4月8日(水)
価格:¥2,000+税

<CD収録内容>
1.Children
2.4月のマーチ
3.Jungle
4.Lesson
5.P
6.It’s So Fine
7.涙の上海ナイト

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