浜端ヨウヘイが語る、渾身のバラードが生まれた場所「“死にたい”とは“生きたい”という意味だと」

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――ちなみに、今どれくらいストックがあるんですか。

浜端:僕の中では200曲ぐらいはありますけど、ディレクターの判断では60曲ぐらい(笑)。できたそばから聞いてもらったりしてます。長くツアーしているときほど曲作りが進みますね。そして、その曲を聞いてもらうために長くツアーをしてっていう繰り返しです。今までは、思ったことをそのまま吐き出す歌でしたけど、それを聞いている人がすぐにイメージできるようなメッセージ以外の部分をどう書いていくか。これからトライしていきたいですね。

――その分類でいうと、今回の曲「無責任」はどちらでしょうか。

浜端:自分の話を書くつもりで書き始めたと思うんですよ。でも、周囲には迷い立ち止まっている人もいるし、ぶれない人もいるし、嘘ついている人もいるし、回り道ばっかりしている人もいる。そういう人たちと知り合い、聞いてもらう2年間で、僕だけの歌じゃなくなったような気がします。

――わかりました。今作は失恋や失意体験などセンチメンタルな部分が出ていますが、今後はどんな歌を作っていきますか。

浜端:これまでの僕の歌には、基本的に「君」がいないんです。だから次は「君」が横にいるような曲を作りたいですね。あとはやっぱり、行間に思いを込めるような歌詞を書きたい。日本の古い和歌とかも「友が川を下っていく」というのを読んでなんて切ないんだろうとね。まぁ、その友は戦争に行って帰ってこないから切ないんであって、何も詳細が書いてなくて、「友が川を下っていく」っていうだけの一文に哀愁のようなものを感じるのは、日本語だからだと思うんです。そこに今後チャレンジしていきたい。今の僕は全部言ってしまっているのでね(笑)。言葉で言わずとも、聞き手が推し量ってくれるような曲作りができたらなと思います。

――浜端さんの歌声には、ポップスとして広く聞かれるポテンシャルがあるようにも思います。先程みんなで歌う曲を書きたいとおっしゃっていましたが、それがライブだけでなく、放送メディアを通してヒットすることも期待したいですね。

浜端:僕は自分の声があまり好きじゃなかったんですよ。普通だし、好きでもないし、高いわけでも低いわけでもない。特徴がないと思ってました。だから、ライブをして「良い声ですね」って言われる言葉に否定的でした。でも、続けていくほど「良い」と言ってくれる人が増えていって、もしかしたらこれは良い声なのかもしれないと思い始めました。今も「俺、良い声だな」と思いながら歌っているわけではないですが、「良い声だ」と言ってくれる人がいるのは素直にありがたいと思います。

――例えば具体的に1年後、こうなっていたいという目標はありますか。

浜端:「シンガーソングライターといえば?」という話になったときに、名前が思い浮かべてもらえるくらいの存在にはなりたいです。数年前はあまり自覚がなかったのですが、今は「職業=シンガーソングライター」と書けますね。

――そういうのは、2年前とは変化した部分でもありますね。

浜端:音楽に専念するために仕事を辞めた時に、フェイスブックのプロフィールでシンガーソングライターに転職しましたって書いたら、たくさん「いいね」がきたのですが、次の日あたりに見直したら恥ずかしくなって消しました。ただ、その消しちゃえるくらいの気持ちだったのかなって。今だったら消さないですからね(笑)。

――今後の予定としては?

浜端:3月からアルバム制作に入ります。ストックに頼らず、新しい曲をどんどん書いていきたいです。そこで生まれるのが今の僕の言葉、歌、メロディだと思うので。

(取材・文=神谷弘一/写真=杉田 真)

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浜端ヨウヘイ『無責任(初回生産限定盤)』

■リリース情報
『無責任』
発売:2月25日(水)
価格:通常盤(CDのみ)¥1,000(税込)
   初回生産限定盤(SINGLE+DVD) ¥1,500(税込)

<CD収録内容>
1.無責任
2.Drivin' on the K
3.サヨナララバイ
4.タイトル未定

■関連リンク
浜端ヨウヘイ オフィシャルウェブサイト
オフィシャルFacebook

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