>  >  > 新垣隆と吉田隆一、なぜ共作した?

栗原裕一郎『N/Y』レビュー

ゴーストライター騒動が生んだ注目コラボ 新垣隆は気鋭のサックス奏者・吉田隆一とどう出会ったか

関連タグ
フリージャズ
吉田隆一
名久井直子
村井康司
柳樂光隆
栗原裕一郎
現代音楽
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
20140224-ny-mainth_.jpg

左・新垣隆、右・吉田隆一

「大変です! いますぐお店に来てください!」

 自分でもイベントをやることがあったりで馴染みの荻窪のライブハウス・ベルベットサン、店員でマスコットガールのみえちゃんからそんな緊急連絡が入ったのは2014年4月のことだ。

「何? どうしたの?」と聞くと「これから新垣隆さんが来るそうです!!!」。

「はああああああっ!?」意味がよくわからない。

 佐村河内守氏の作品にゴーストライター疑惑が告発され、新垣隆氏が記者会見を開いたのは2ヶ月ばかり前の2月のこと。3月には佐村河内氏の記者会見も開かれたとはいえ、報道の熱は収まらず、新垣さんは渦中で揉みくちゃになっていた頃である。

 その日は、バリトンサックス奏者の吉田隆一氏、ジャズ評論家の村井康司氏と柳樂光隆氏の3人でやっている「ワニ三匹がジャズを解放する!」というトークイベントの開催日だったのだが、そこになぜかお客さんとして新垣さんが来るというのだ。

 事態はいまひとつよく飲み込めなかったものの、出演者は全員知り合いである。

 むろん「いくしか!」と思ったのだが、あいにく僕はそのとき、日本にいなかったのだった……。

 先日2月8日にプレス向けに開かれた記者会見や、発売されたばかりの『CDジャーナル』3月号のインタビューでも披露されていたが、吉田隆一と新垣隆が初対面を果たしたのはこの日のことだ(以下敬称略で)。正確に日付を記すと、2014年4月13日である。『CDジャーナル』のインタビューから、そのあたりの様子を引用しよう(聞き手は吉田豪)。

   吉田「そのとき、去年の2月くらいだったんですけど、私、髪が長くてパーマがかかってサングラスかけてたんですね。〈これ(佐村河内に)似てない?〉みたいなことになって。そのイベントのときにコスプレっていうか、顔だけ似せたんですよ。いま見るとたいして似てはいないんですけど」
(中略)
「その日限りのネタで終わると思ったら、村井さんから〈新垣さんに連絡したら来るって言ってました〉ってメールが来て、何を言ってるのかさっぱりわからなくて」
――こんな格好するんだから、せっかくだから新垣さんを呼んじゃおうってことですか?
吉田「え、この人は新垣さん知ってるの? え、なんで新垣さん呼んじゃうの? マズいんじゃない? って。シャレが通じないんじゃないかってパニックになっちゃって」
――ちょうど渦中の頃ですよね。つまり、その時点で佐村河内ミーツ新垣ってわけで。
吉田「そうそう。でも来るっていうんで待ってたらホントに来てくれて。せっかく来たんだから、どこまでシャレが通じるかわからないけど、記念写真を撮りましょうよって。
新垣「和解の瞬間(あっさり)」
――ダハハハハ! 奇跡ですよ、それ!


 その奇跡の「和解の瞬間」記念写真を、今回吉田隆一氏からお借りできたのでご紹介しましょう!

     
  • 1
  •  

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版