ゲスの極み乙女。ワンマン公演に見た、“さらなる進化”への予兆

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休日課長(Ba)

 ライブの後半戦は「キラーボール」でスタート。バンドのテンション、そしてオーディエンスの熱量が振り切れていく。ほな・いこかのドラムソロの隣で「いこかとバンド組めてよかった♡」と休日課長(Ba)が煽るコールアンドレスポンスから始まる「ドレスを脱げ」でライブはクライマックスへ。繊細なイメージのあるゲスだが、川谷と休日課長のコンビは非常に男っぽくパワフルで、バンドの土台骨として機能しているのが見て取れるのも面白い。そしてこの曲の際、ステージの袖近くで踊り狂っていたスーツ(からの全身タイツ)にサングラスの男がいたのだが、川谷に「さっきの人どこいった?俺探してくるわ」といって連行されてきたのはなんと盟友・キュウソネコカミのヤマサキ セイヤ(Vo.Gt)。「MC長過ぎやねん!講演会か!」と突っ込みながら出てきたヤマサキを迎え、ヤマサキwithゲスの「DQNなりたい、40代で死にたい」(キュウソネコカミ)がちょっとだけ披露されたものの、川谷により瞬殺でぶった切られ、そのまま「ドレスを脱げ」に戻っていく。次に何が起こるのかとわくわくが止まらないおもちゃ箱のようなステージに、オーディエンスも爆笑したり演奏に熱狂したりと、大忙しだ。

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ちゃんMARI(Key)

 その後はほな・いこかの「いこかー!」「かわいいー!」のコールアンドレスポンスの後、「餅ガール」、そして「そろそろー!ゲスの4か条が聞きたいんじゃないのー!」という煽りからの「ホワイトワルツ」、そして「スレッドダンス」でオーディエンスをさらに熱狂させ、本編は終了。アンコールでは2ndシングル「私以外私じゃないの」が4月22日にリリースされることをアナウンスし、ツアー開始前に泊まりこみでレコーディングしたというこの楽曲を披露した。その後のMCで「ここでやるのが夢のひとつだった」と少ししんみりした休日課長に会場からは暖かい拍手が贈られ、「みなさん、ゲスの極み乙女。と一緒に遊びませんか?」と川谷が叫んで最後に披露されたのは盛り上がり必至の「アソビ」。フロアを完全にカオス化させて、この日のライブは終了した。

 ひたすらに楽しむことを追求したエンターテイメントと、とても真摯な音楽的欲求—その両方を確信的に行き来して、独自のスタイルを貫こうとする彼らの意思を十二分に感じたこの日のステージ。周囲の期待と予想を煙に巻きながら、さらなる進化を遂げてくれるであろう2015年のゲスの極み乙女。も楽しみだ。

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(文=岡野里衣子/撮影=橋本塁)

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